今でもあるある、日系ボッタクリ業者
ブログの更新が見事に滞ってしまい、少し反省。以前はフリー誌のコラムに執筆していて締め切りがあった為、強制的にネタはストックされましたが、原稿の催促から開放される素敵な日々を満喫し過ぎましたかね。(汗)
本ネタを在米日系の某クライアントさんから伺ったのも実は軽く半年以上前でしたが、まぁそれはさておき、あまりにも酷くて聞いたときには思わず笑ってしまったほどでした。
Office 365への移行に、7000ドル近い見積り?
そのクライアントさんは、メール環境をクラウドへ移行されたかったらしく、MicrosoftのOffice 365へ移行するべく、同じくMicrosoftのNAVという基幹業務管理システム(ERP)を、その会社へ導入していた某日系IT業者さんに見積もりを依頼されたそうです。
ところが出て来た見積り額が、$7,000近くで呆然とされ、Webカタログ制作の打ち合わせで我が社へ来られた際に、「本当にそんなに掛かるものなのですか?」と尋ねられました。
勿論、何百人の従業員がいる会社なら考えられなくもないのですが、その会社さんはメールアカウント数が両手あれば足りる程度しかありません。で、見積りの詳細を見せてもらいました。
そして、、思わず笑ってしまいました。(笑)スミマセン。。
何にそんな費用が掛かってきているのか?を確認したところ、ソフトウェアのライセンス料は極めてスタンダードでした。まぁ当たり前ですね。そこへ暴利なマージンは乗せられないでしょう。
一際目を引いたのが「Office 365 Migration (Email Service)」が最低20h、これだけで$2,500掛かっています。要は古いメールサーバーのメールがOutlook 2010にあり、それを新しいOffice 365のOutlookへ移行する、というだけの話のはずですが、まさか各人のメールアカウントの移行に目の前で立ち会い、1台1台設定変更しながら、、にしても20h掛かる作業は何でしょうか。不明です。
「Onsite work at XXX(クライアント名)for cut-over tasks, setup mobile device for accessing Office 365 Service」はおそらくモバイルデバイスでのメール再設定など、ということでしょうが、8hも掛かるんですかね。。
あと、「Onsite work at XXX(クライアント名) for map file server for each work stations」が8h作業、とのことで、これらだけでも合計$2,000です。因みにこれはクライアントが頼んでもいないクラウドのファイルサーバーの利用とセットアップに関係しているようです。。
それ以外にも「Onsite work at XXX(クライアント名)for file migration, switch all user to Work Group from Domain」なんて、Active Directoryでユーザーをドメイン管理していたネットワーク環境をわざわざワークグループ管理に戻すってことですか??そもそも管理レベル的に逆行させる行為なんですが、、
要は意味不明/不要な諸々の作業費で、合計7000ドル近くになっているようです。
ボッタクリ見積りから予想するバックストーリー
結局Microsoftのサービスを代理店販売したところで、マージンは本当に知れています。おそらくこの日系IT業者さんは、自社の売り上げを最大限に引き上げられるネタにすることが全てで、提案されたように推測されます。
誤解のないように、例えどんな単純作業でも時間を費やせば、費用は発生してしかるべきですし、ITに無知な相手へ、手取り足取りの至れり尽くせりのサービスを提供していれば、相応に時間は掛かり、相応の費用にもなり得ます。
ただこのIT業者さんの時間見積りは、それでもデタラメ過ぎますけどね。仮に本当にそれだけ時間が掛かるなら、スキルや経験の乏しい素人に毛が生えた程度の人が作業をしており、作業費用レートが不適切ですし、プロの作業費用レートでチャージできる相応の人が作業するのなら、そんな時間はまず掛からないでしょうから。
ともかく、一連の作業がクライアントの為ではなく、IT業者の為のものになっている、ということは強く感じました。
Office 365移行の真っ当な費用は?
結局、このクライアントさんにどう説明したかというと、この移行作業で本当にITの相応の知識を必要とする部分は、極僅かであり、大半はクライアントさん側でもよぼとIT音痴でなければ出来ることが多々あることを伝えました。勿論、マイクロソフトのサポートも受けられます。
モバイルの設定なんて、今の時代、皆自分でやっていますし、PC側の設定にしても誰か一人でも覚えれば、それを周りに説明するなり、その人が全て設定するなりしてコストセーブできるはずです。
実際にDNSレコードの変更など、知識が必要な部分と、メールアカウント移行でのアドバイスと必要な設定を少し我が社が行い、それ以外はクライアントさん側で行って頂き、普通に無事Office365へ移行されました。
因みにその移行コスト(我が社への作業費)は、合計$375(1.5h作業)でした。(笑)
しかし在米日系IT業者さんのやりたい放題事例は、本当に無くなりませんね。。こんな暴利を平然と行っていれば、IT業者が世の中的に嫌われるはずです。(溜息)