ソーシャルメディアでの手痛い失敗

(U.S. FrontLine誌 2014年07月20日号 掲載分。一部編集、加筆あり)

今年の4月に、USエアウェイズという航空会社の公式Twitterページ上に、強烈にNSFW(Not Safe For Work)な画像が投稿され、大騒ぎになりました。画像はTwitter上に投稿されてから、1時間以内に削除されたようなのですが、反響も大きかったため、既に色んな人へ拡散されたようです。

ちなみにその画像を言葉で描写すると、裸の女性がベッドで仰向けに寝ていて、ひざを曲げ、両足の太ももを両手で抱えているのですが、女性のアソコに、おもちゃの飛行機の機体が頭から突っ込んでいるもので、かなりエグいです。NSFWというか完全にアウトですね(笑)。今でもネットで検索すれば見ることはできますが、閲覧される場合は、自己責任でお願いします。

NSFW画像が投稿された経緯

あるユーザー(Elleさん)が、あるフライトで1時間以上遅れたというクレームを投稿し、USエアウェイズの管理者が定型の謝罪文で返すと、彼女はそのレスについて、それまでの投稿内容に全く触れられていないことを指摘しました。それに対してUSエアウェイズが、「フィードバックを歓迎します。もしもあなたのご旅行が終わっていれば、レビューとフォローアップのための詳細をこちらに」とレスをしたのですが、その際に同時に載せていたリンク先が、例の完全にNSFWな画像だったのです。

ただその画像は、話の流れに全く沿っていなかったとも言い切れず、「クレームなら私のアソコの中へ言ってね」とUSエアウェイズの管理者がレスしてきたとも解釈できたのが、余計に面白かったと言えます。実際に色んな人のコメントで、「(管理者は)よくこの仕事を、こうやって辞めるよね」など、色々と面白がっていました。

ちなみに一昔前のアメリカの一部に、相手の話に聞く耳をもたない人が、相手の顔に手のひらを向けて、「Talk to the hand.(私の手のひらに話して)」と突き放す仕草があり、個人的にはそのネット用バージョンだと感じて、一層面白かったです。

真相は闇の中?

なおUSエアウェイズは、この投稿に気づいてから、すぐに画像についての謝罪をしましたが、後日の調査報告では、単なる手違いにより起きたものだったとのコメントがありました。

問題の画像は、別のユーザーがUSエアウェイズのTwitterページへ投稿してきていたもので、管理者が問題投稿(画像)であると把握し、社内的なアラートを立てた際に、コピーしたURLのリンクをなぜか間違って、このElleさんへのレスに貼ってしまったとのことです。

ただその説明でも、やはり不明瞭で今ひとつ釈然としないわけで、色んな憶測が飛び交っていました。企業がメディアに露出するためにあえてやった説もあります。また定型的な自動レスをするためのツールもあるので、恐らくですが、この管理者というか企業も、そういったものを使っていて、何らかのミスが生じた可能性を、私は一番疑っています。

勿論企業としては、そういった自動化ツールで無機質な応対をしていることを、ユーザーには知られたくないはずなので、そのような説明になっていたという読みです。

SNSはクレーム処理の場にもなる

ユーザーは企業に対して、何らかのクレームをしたい場合に、電話のように待たされることもなく、Eメール以上に即時のレスポンスが期待できるSNSを、今はあまり使われなくなった、まるでチャットサービスであるかのような感覚で、一番活用するようになってきています。

特に大手企業のSNSは、オンライン上でのクレーム窓口になっていることも多く、カスタマーサービス的な仕事に追われるのは、珍しいことではありません。しかし今回の件は、間違いから起きたのか、苦情処理スタッフが故意にやったことなのかは不明ですが、いずれにせよ公開された場で、こういうことが絶対に起きてはならないのは、間違いありません。

SNS管理の仕事は、やっていることは地味でも、れっきとしたカスタマーサービスで、しかもそのやりとりが公開されている時点で、ブランドマネージメントの範疇にもなります。企業のブランドイメージを損なわないような、クレーム対応での高いスキルが要求されるだけに、初歩的なミスなどは論外なのです。投稿して公開した内容は、必ず再確認するなど、二重チェックポリシーを徹底することは、基本中の基本と言えます。

とはいえ、当社もクライアントのFacebookなどSNS管理業務を代行しており、他人事ではないなと肝に銘じた事件でした。

航空会社の不祥事の追記

最近、航空会社の不祥事で話題になったのが、United Airlineによる、搭乗済みだったアジア系医師の男性客の強制ひきずり降ろし事件がありました。

元々はUnited側がオーバーブッキングをしており、乗務員の移送に4人分の席を一般乗客から空けてもらう必要があったため、多少の金銭的dealのオファーで自主的に誰かに譲ってもらうことを試みたが、どうしても1席確保できず、”抽選”により、強制的に席を譲らせる役を選び、それに運悪く選ばれてしまった乗客が、それを拒んだ為、強制的に引きずり降ろした、というものでした。男性客は医師で、翌日の診察があると伝えていたのですが、空港警察?により、有無も言わさず引き摺り下ろされる際に、顔をどこかにぶつけられたのか、口から血を出したまま、無残に通路を引きずられていく衝撃映像が、他の乗客により撮影され、ネットで広まりました。

法的な権利上では一応航空会社がこういう行為をできるらしく、それ自体も衝撃なのですが、もちろん、このやり方には色んな批判が殺到したわけですが、直後のCEOによる従業員向けのメールで、このスタッフの行為を擁護していたのが公になり、更に炎上して、ようやくその後CEOも形上、謝罪しました。後日、弁護士談によると、この乗客は脳震盪を起こし、鼻骨折、前歯2本折れていたそうです。

ちなみにUnited側はこの乗客を当初「破壊的で、けんか腰だった」と非難していたのですが、その後新たに出てきた別の映像で、それも虚偽である可能性が高くなりました。これら一連の不祥事により、Unitedの株価も大暴落したわけですが、まぁ当然ですよね。正当にお金を払った客が受けるべき扱いでは到底なく、こんな実態を知れば、誰でも選択肢のある限りは、他の航空会社を選びたくなります。少なくとも自分はそうします。(元々良いイメージがなかった航空会社なので。)

ところでこの事件後、突然他の航空会社の不祥事が、ネットでいきなり多数目にするようになりました。もちろん、ここまで酷いものはないのですが、あくまでも個人的な予想ですが、こういうのは間違っても”偶然”ではなく、United Airlineのソーシャルメディア・マネージャーか、PR部門あたりが、何か必死にがんばっているんだと思います。(溜息)

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