採用のコツ⑥ 無償トライアル2 Hiring the Right Person, Part 6
(U.S. FrontLine誌 2013年5月5日号 掲載分)
前回、当社の場合は面接で好感触だった応募者に、無償ながら実際の業務に近い内容を数時間程度、トライアルとして、オフィスに来てもらい実際に行ってもらう制度があることについて、ご紹介しました。
この制度は、採用前のある種のお見合いみたいなもので、実務のイメージや仕事場の雰囲気なども事前に確認できるので、応募者にもわりと評判が良いものです。
またトライアルでは、簡単なトラップをいくつか仕掛けておくことで、応募者の潜在的な可能性、危険性、性格、PCの基本的なスキルなど、かなりしっかりと確認できるので、もしもこのような試みを実践されていない企業があれば、採用担当の方にも、自信を持ってお勧めしたいくらいです。
なおうちで発生する雇用のほとんどは、アメリカ人の採用になっているのですが、例えば同じように日系企業がアメリカ人を採用する際には、言語的な問題もあると思うので、特にこのトライアルのように、事前に一定の基準で評価できる制度は、有益ではないかと思っています。
さて、前回はオンラインショップ関連のポジションでの話をご紹介しましたが、今回はインターネットマーケッター関連での話です。ちなみにこの表現だとかなり広い範囲の職種をまだ指していることになるのですが、読者の方で想像しやすいところでは、自然な検索結果でウェブサイトを上位表示させる、SEO技術者であるとか、検索エンジンでキーワードに連動させた広告(PPC)の管理や最適化を行う人、というところでしょうか?
ちなみにFacebookなどSNSの管理者もこの類に入りますし、オンライン広告、もしくはバイラル(口コミ)マーケティング用に、何らかの画像、動画、テキストなどを作成する、コンテンツクリエーターも、ある種この中に入ります。実際に求人をすると、これら職種の完成形(シニアレベル)の人の応募はあまり多くなく、他のキャリアを築いて来た人が、新たにこのフィールドに興味を持ち、転職を希望しているパターンが結構あるように思います。中には元弁護士とか、過去にエミー賞をとったことのある元TVプロデューサーとか、ほんとうにさまざまですが、まだどういう世界なのかよく分からないけれど、漠然と興味を持たれている印象も多く見受けられます。
無償トライアルでは、クリエイティブライティング、PPCの基礎テスト、SEOライティング、SNSの応対シュミレーション(ブランドマネージメント)など、その時の求人状況や相手をみて、内容を選んで実施しています。
ちなみに各PCは、リモートで完全にモニタリングできるようにしており、必要に応じて応募者の行動を誰かが確認しているのですが、聞いた話で、こんなエピソードがありました。
ある応募者の話
その人は、前職がGoogleのクオリティーレイターという仕事の下請け会社に勤めていたということでした。
Googleの検索結果における各サイトの表示順位は、アルゴリズムと呼ばれる、彼らの非公開のルールでサイトを機械的に評価し、順位付けをしているわけですが、この「クオリティーレイター」は、人間が、実際に上位に来ているサイトを、ガイドラインに沿って手動で評価し、検索結果の品質評価をする仕事のことで、Googleが2005年より実施している試みです。
実際には、何人ものクオリティーレイターが決められたレポートを提出し、そこからいろいろな審査・承認のプロセスを経ていくようですが、結局、Googleもコンピュータだけでは追いつかず、人間の手を借りて、検索結果を構成しているということです。
経歴としては、インターネットマーケッターのポジションへの応募者の中では、わりと妥当な路線だったということもあり、多少期待はしたのですが、結果として、クリエイティブライティングのセンスがまったくないという、パートナーからの評価でした。
そしてその上で、わずか数時間のトライアル中に、当の本人は友達に向かって、「採用されるの、ちょろいよ」みたいな主旨のメールを(モニタリングされていると知らず)送っていたらしいのです。
ちなみに面接時から「簡単にできる」的な発言を簡単にしてしまうような応募者には、特に注意が必要で、大半は仕事を単に1つのタスクとしてしか見ていない人が多いのですが、まさにそんな感じでした。何より、自分の出来の評価・分析がまともにできていないのでは、その先が大変でしょう。さて、本シリーズはこれで以上ですが、仕事で採用する側、される側ともに、何らかの足しになれていたら幸いです。
アメリカ ロサンゼルス アーティザン・クルーという広告代理店/IT会社の求人・人材募集情報はこちら
[求人・人材募集情報]
前回、当社の場合は面接で好感触だった応募者に、無償ながら実際の業務に近い内容を数時間程度、トライアルとして、オフィスに来てもらい実際に行ってもらう制度があることについて、ご紹介しました。
この制度は、採用前のある種のお見合いみたいなもので、実務のイメージや仕事場の雰囲気なども事前に確認できるので、応募者にもわりと評判が良いものです。
またトライアルでは、簡単なトラップをいくつか仕掛けておくことで、応募者の潜在的な可能性、危険性、性格、PCの基本的なスキルなど、かなりしっかりと確認できるので、もしもこのような試みを実践されていない企業があれば、採用担当の方にも、自信を持ってお勧めしたいくらいです。
なおうちで発生する雇用のほとんどは、アメリカ人の採用になっているのですが、例えば同じように日系企業がアメリカ人を採用する際には、言語的な問題もあると思うので、特にこのトライアルのように、事前に一定の基準で評価できる制度は、有益ではないかと思っています。
さて、前回はオンラインショップ関連のポジションでの話をご紹介しましたが、今回はインターネットマーケッター関連での話です。ちなみにこの表現だとかなり広い範囲の職種をまだ指していることになるのですが、読者の方で想像しやすいところでは、自然な検索結果でウェブサイトを上位表示させる、SEO技術者であるとか、検索エンジンでキーワードに連動させた広告(PPC)の管理や最適化を行う人、というところでしょうか?
ちなみにFacebookなどSNSの管理者もこの類に入りますし、オンライン広告、もしくはバイラル(口コミ)マーケティング用に、何らかの画像、動画、テキストなどを作成する、コンテンツクリエーターも、ある種この中に入ります。実際に求人をすると、これら職種の完成形(シニアレベル)の人の応募はあまり多くなく、他のキャリアを築いて来た人が、新たにこのフィールドに興味を持ち、転職を希望しているパターンが結構あるように思います。中には元弁護士とか、過去にエミー賞をとったことのある元TVプロデューサーとか、ほんとうにさまざまですが、まだどういう世界なのかよく分からないけれど、漠然と興味を持たれている印象も多く見受けられます。
無償トライアルでは、クリエイティブライティング、PPCの基礎テスト、SEOライティング、SNSの応対シュミレーション(ブランドマネージメント)など、その時の求人状況や相手をみて、内容を選んで実施しています。
ちなみに各PCは、リモートで完全にモニタリングできるようにしており、必要に応じて応募者の行動を誰かが確認しているのですが、聞いた話で、こんなエピソードがありました。
ある応募者の話
その人は、前職がGoogleのクオリティーレイターという仕事の下請け会社に勤めていたということでした。
Googleの検索結果における各サイトの表示順位は、アルゴリズムと呼ばれる、彼らの非公開のルールでサイトを機械的に評価し、順位付けをしているわけですが、この「クオリティーレイター」は、人間が、実際に上位に来ているサイトを、ガイドラインに沿って手動で評価し、検索結果の品質評価をする仕事のことで、Googleが2005年より実施している試みです。
実際には、何人ものクオリティーレイターが決められたレポートを提出し、そこからいろいろな審査・承認のプロセスを経ていくようですが、結局、Googleもコンピュータだけでは追いつかず、人間の手を借りて、検索結果を構成しているということです。
経歴としては、インターネットマーケッターのポジションへの応募者の中では、わりと妥当な路線だったということもあり、多少期待はしたのですが、結果として、クリエイティブライティングのセンスがまったくないという、パートナーからの評価でした。
そしてその上で、わずか数時間のトライアル中に、当の本人は友達に向かって、「採用されるの、ちょろいよ」みたいな主旨のメールを(モニタリングされていると知らず)送っていたらしいのです。
ちなみに面接時から「簡単にできる」的な発言を簡単にしてしまうような応募者には、特に注意が必要で、大半は仕事を単に1つのタスクとしてしか見ていない人が多いのですが、まさにそんな感じでした。何より、自分の出来の評価・分析がまともにできていないのでは、その先が大変でしょう。さて、本シリーズはこれで以上ですが、仕事で採用する側、される側ともに、何らかの足しになれていたら幸いです。
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