今アメリカで人気急上昇中のPinterestとは? ②
(U.S. FrontLine誌 2012年6月5日号 掲載分)
前回、アメリカのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)において、トラフィック的にFacebook、Twitterに次いで3位になった、画像共有SNSかつ、SBM(ソーシャルブックマーク)のPinterestについて、触れました。
このPinterest、2年前の開設時には無名だったのが、独立したサイトとしては(元からユーザーベースがあったサイトを除けば)、アメリカ史上、最速で月間1000万のユニークビジター数を突破するなど、驚異的な伸び率なのです。
また特徴として、ユーザー層の8割は女性であり、メインコンテンツのPin(投稿)された画像の80%は、他の人のボードでそれを見て気に入った人が、自分のボードにRepin(共有)したことで生まれたもので、TwitterのコンテンツにおけるRetweet(他人の呟きの共有)の割合比1.4%とは違い、Pinterestは、口コミにより生じたコンテンツでほとんど構成されていることを、前回お話しました。
Pinterestのビジネスモデルの謎
確かに勢いはあり、トラフィックは確実に増えているサイトなのですが、ビジネスモデルに関しては、まだ不透明です。消費者は広告と分かると、敬遠するか無視しがちになるのに、Pinterestにはたくさんの商品写真が投稿されている中、それをウィンドウショッピングでも楽しんでいるかのように、中毒的に見ることにハマッている大勢の女性がおり、そういう世界観を築けたことこそ天才的で、企業もこれをビジネスに活用しない手はないことを前回書きましたが、今のところ広告を表示させる仕組みはありません。招待制ですが、アカウントも無料で作成できます。。
では、何で収益を上げているのか? それこそYoutubeがそうであったように、毎月莫大な赤字を出し続けても、ひたすらトラフィックだけを増大させ、Googleのような大金持ち企業から、破格の金額で買収されるのを夢見て待つ、というビジネスモデルなのかもしれません(こういうの、正しくは何と呼ばれているのか私は知りませんが、玉の輿モデル?? でも売った後に、即バイバイするのであれば少し違いますよね笑)。
「If you're not paying for it,you're the product」
世の中の無料サービスについてよく言われていることですが、「もしもあなたが無料で何かを得ていれば、それはあなた自身が商品になっている」という意味で、このサイトも例外ではないようです。大きな投資または買収額を獲得するまでと、その後では、モデルが違っていても不思議はないのですが、とりあえず最初の段階として、彼らにはアフィリエイト収益があるようです。
アフィリエイトとは、たとえばオンラインショップや会員制サービスを販売している企業(アフィリエイト・プログラムの提供元で、以下提供元と記載)が、彼らの集客のために、広告を代わりに出稿してくれる、アフィリエイターと呼ばれる企業や個人を募り、ユーザーがその広告(リンク)をクリックして、その先にあるサイトへ誘導され、最終的に買い物や会員登録をすると、提供元からアフィリエイターへ、成功報酬として売上の何%かが支払われる、というものです。
アフィリエイト・プログラムのある製品へのリンクがあれば、アフィリエイターとなるためのコードを自動で追加する、Skimlinksという第三者のサービスがあり、Pinterestはこれを利用して、ユーザーが投稿した際に自動で調べ、リンクを勝手に修正しているそうです。つまり、ユーザーがPinterest上の写真をクリックして、その先のオンラインショップへ誘導され、商品を購入すると、Pinterestに成果報酬が入るわけです。ただ実際にこの仕組みで得ている収益は、まだ大したものではない、という話もあります。
なおリンクの自動修正については、公表はされていません。ユーザーが独自のアフィリエイト用コードを含めて投稿した場合、Pinterestはコードの変更をしないという話もあります(事実は未確認。将来どうなるかも不明)。
今後、Pinterestに積極的に商品画像を投稿する企業は増えるでしょう。彼らからのアフィリエイト収入や、大手ショップとの提携というシナリオは考えられます。
また今でも、価格と販売元の表示が可能な「Gift」セクションがあることや、投稿の仕方により価格の帯が表示されることから(ここの意味を筆者に確認)、Pinterest側の思惑も見え隠れしており、将来、商用コンテンツが課金制になる可能性や、他のSNSと同様、広告収入のビジネスモデルに展開する可能性も伺えます。
ちなみにPinterestのパクリサイト、Pinspireなんてのも既に登場しています。ともかく、Pinterestの注目度は高く、ビジネスに活用するチャンスも、今のところはありそうです。
前回、アメリカのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)において、トラフィック的にFacebook、Twitterに次いで3位になった、画像共有SNSかつ、SBM(ソーシャルブックマーク)のPinterestについて、触れました。
このPinterest、2年前の開設時には無名だったのが、独立したサイトとしては(元からユーザーベースがあったサイトを除けば)、アメリカ史上、最速で月間1000万のユニークビジター数を突破するなど、驚異的な伸び率なのです。
また特徴として、ユーザー層の8割は女性であり、メインコンテンツのPin(投稿)された画像の80%は、他の人のボードでそれを見て気に入った人が、自分のボードにRepin(共有)したことで生まれたもので、TwitterのコンテンツにおけるRetweet(他人の呟きの共有)の割合比1.4%とは違い、Pinterestは、口コミにより生じたコンテンツでほとんど構成されていることを、前回お話しました。
Pinterestのビジネスモデルの謎
確かに勢いはあり、トラフィックは確実に増えているサイトなのですが、ビジネスモデルに関しては、まだ不透明です。消費者は広告と分かると、敬遠するか無視しがちになるのに、Pinterestにはたくさんの商品写真が投稿されている中、それをウィンドウショッピングでも楽しんでいるかのように、中毒的に見ることにハマッている大勢の女性がおり、そういう世界観を築けたことこそ天才的で、企業もこれをビジネスに活用しない手はないことを前回書きましたが、今のところ広告を表示させる仕組みはありません。招待制ですが、アカウントも無料で作成できます。。
では、何で収益を上げているのか? それこそYoutubeがそうであったように、毎月莫大な赤字を出し続けても、ひたすらトラフィックだけを増大させ、Googleのような大金持ち企業から、破格の金額で買収されるのを夢見て待つ、というビジネスモデルなのかもしれません(こういうの、正しくは何と呼ばれているのか私は知りませんが、玉の輿モデル?? でも売った後に、即バイバイするのであれば少し違いますよね笑)。
「If you're not paying for it,you're the product」
世の中の無料サービスについてよく言われていることですが、「もしもあなたが無料で何かを得ていれば、それはあなた自身が商品になっている」という意味で、このサイトも例外ではないようです。大きな投資または買収額を獲得するまでと、その後では、モデルが違っていても不思議はないのですが、とりあえず最初の段階として、彼らにはアフィリエイト収益があるようです。
アフィリエイトとは、たとえばオンラインショップや会員制サービスを販売している企業(アフィリエイト・プログラムの提供元で、以下提供元と記載)が、彼らの集客のために、広告を代わりに出稿してくれる、アフィリエイターと呼ばれる企業や個人を募り、ユーザーがその広告(リンク)をクリックして、その先にあるサイトへ誘導され、最終的に買い物や会員登録をすると、提供元からアフィリエイターへ、成功報酬として売上の何%かが支払われる、というものです。
アフィリエイト・プログラムのある製品へのリンクがあれば、アフィリエイターとなるためのコードを自動で追加する、Skimlinksという第三者のサービスがあり、Pinterestはこれを利用して、ユーザーが投稿した際に自動で調べ、リンクを勝手に修正しているそうです。つまり、ユーザーがPinterest上の写真をクリックして、その先のオンラインショップへ誘導され、商品を購入すると、Pinterestに成果報酬が入るわけです。ただ実際にこの仕組みで得ている収益は、まだ大したものではない、という話もあります。
なおリンクの自動修正については、公表はされていません。ユーザーが独自のアフィリエイト用コードを含めて投稿した場合、Pinterestはコードの変更をしないという話もあります(事実は未確認。将来どうなるかも不明)。
今後、Pinterestに積極的に商品画像を投稿する企業は増えるでしょう。彼らからのアフィリエイト収入や、大手ショップとの提携というシナリオは考えられます。
また今でも、価格と販売元の表示が可能な「Gift」セクションがあることや、投稿の仕方により価格の帯が表示されることから(ここの意味を筆者に確認)、Pinterest側の思惑も見え隠れしており、将来、商用コンテンツが課金制になる可能性や、他のSNSと同様、広告収入のビジネスモデルに展開する可能性も伺えます。
ちなみにPinterestのパクリサイト、Pinspireなんてのも既に登場しています。ともかく、Pinterestの注目度は高く、ビジネスに活用するチャンスも、今のところはありそうです。