今アメリカで人気急上昇中のPinterestとは? ①
(U.S. FrontLine誌 2012年5月20日号 掲載分)
Pinterestとは、写真を共有するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)です。今年の4月に発表されたある記事によると、アメリカで3番目にトラフィックのあるSNSになったそうです(ちなみに1位はもちろんFacebookで、2位Twitter、4位Linkedin、5位Tagged、6位Google+の順)。
Pinterestを簡単に説明すると、Web上へ任意のテーマで仮想のボードを用意し、気に入った画像や動画を、ピンでそのボード上にどんどん刺していき、見て楽しんだり、共 有したり、時には他のユーザーの画像にコメントしたりするというものです。インターフェイスがとにかくシンプルで、きれいな画像が並んでいるので、見ていて気持ちがいい、というわかりやすい魅力があります。
自分で画像を集めてボードにピンで刺す(Pin)以外に、他のユーザーのボードにある画像を、自分のボードへピンで刺したり(Repin)、他のユーザーをフォローして、その人がピンで刺したものを、随時チェックしたりもできます。感覚的には、Facebookで言う所の、Post=Pin=投稿、Share=Repin=共有と考えるとわかりやすいかもしれません。 ちなみに名前の由来は、Pin(ピン止め)+ Interest(興味)で、Pinterestということらしいです。
既存のサービスでFlickrなどの写真共有サイトと大きく違うのは、自分で撮影したものだけでなく、ネット上で気に入った画像も、ピンで刺していけることです。
同じく、Tumblr(簡易ブログ)とかぶる部分もあるのですが、Tumblrはあくまでも投稿者主体で、閲覧者は単なるブログの読者という感じになり、閲覧者側からすると、た くさんの面白い画像と簡単に出会える、とは言い難いものでした。一方のPinterestは、閲覧者側が色んな画像を閲覧する行為がとても楽にでき、見る側に比重を置いたサイトといえるかもしれません。
なお他の人との交流を楽しむというよりは、自分が見て気持ちいいものを集める、という使い方が主体になっていることから、厳密にはSNSというより、SBM(ソーシャル・ブックマーク)という色合いが強いと思います。
マーケッターから見たPinterest
まずユーザー層として、女性が8割というのが興味深い特徴です。女性をターゲティングしたいビジネスなら、一考の価値はあると思います。
今年3月におけるアクセス数は、Facebook: 70億に対して、2位Twitter: 1億8200万、3位Pinterest: 1億400万と、Facebookに比べ、2位以下はトラフィック的には、格段に 劣っているのは確かです。ただ、Pinterestのメインコンテンツは画像、スクロールしても画像に画像…と、とにかく画像で埋め尽くされています。ここが天才的だと思っているのですが、その中には商品写真もたくさんあります。
それらをウィンドウショッピングでも楽しんでいるかのように、中毒的に見ることにハマッている、大量の女性がいるわけです。これって凄くないですか?
企業にとってもこれほどおいしい媒体は、なかなか存在しません。仮に広告をバンバン出しても、消費者は広告とわかると、敬遠するか、無視しがちになります。ところがこのサイトでは、堂々と商品写真を掲載でき、消費者もそれを楽しんで見てくれるという、画期的な世界を作り上げてくれています(なお今のところ、Pinterestに広告表示の仕組みはありません)。
コンテンツの8割は口コミにより生じたもの
ここに面白い統計があります。Pinterest上のメインコンテンツであるPin(投稿)の80%は、Repin(共有)されて生まれたものであるのに対し、Twitterでは、僅か1.4%だけが、Retweetにより生じたコンテンツである、というものです。FacebookのPostの内、Shareにより生じたコンテンツの割合の統計も、以前どこかで見たのですが、すみません、忘れてしまいました。ただ記憶では相当低かった覚えがあります。
そもそもFacebookやTwitterは、個人でも企業でも、基本的に「ねぇねぇ、みんな聞いてよ!」というスタンスで、画像やコメント、リンクなどを投稿するもので、必然的にコンテンツの中心は、投稿者主体の内容になります。なので、それを受け取る側も、それをわざわざ人に伝達したくなることがそこまで多くないことは、容易に想像できます。また例えばFacebookで何かをShareするということは、容易にその人の趣味・趣向、知性・感性、思想・人間性を表してしまうことにもなるため、気軽にはできないと感じている人も、少なからずいると思います。
一方Pinterestの場合、何かの画像をRepinすることで、そこまで人間を判断される心配もなく、気楽に「あっこれ好きかも」くらいの感覚で共有できるため、他に比べて口コミにより生まれたコンテンツの割合比が高くても、不思議はないと思います。
Pinterestとは、写真を共有するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)です。今年の4月に発表されたある記事によると、アメリカで3番目にトラフィックのあるSNSになったそうです(ちなみに1位はもちろんFacebookで、2位Twitter、4位Linkedin、5位Tagged、6位Google+の順)。
Pinterestを簡単に説明すると、Web上へ任意のテーマで仮想のボードを用意し、気に入った画像や動画を、ピンでそのボード上にどんどん刺していき、見て楽しんだり、共 有したり、時には他のユーザーの画像にコメントしたりするというものです。インターフェイスがとにかくシンプルで、きれいな画像が並んでいるので、見ていて気持ちがいい、というわかりやすい魅力があります。
自分で画像を集めてボードにピンで刺す(Pin)以外に、他のユーザーのボードにある画像を、自分のボードへピンで刺したり(Repin)、他のユーザーをフォローして、その人がピンで刺したものを、随時チェックしたりもできます。感覚的には、Facebookで言う所の、Post=Pin=投稿、Share=Repin=共有と考えるとわかりやすいかもしれません。 ちなみに名前の由来は、Pin(ピン止め)+ Interest(興味)で、Pinterestということらしいです。
既存のサービスでFlickrなどの写真共有サイトと大きく違うのは、自分で撮影したものだけでなく、ネット上で気に入った画像も、ピンで刺していけることです。
同じく、Tumblr(簡易ブログ)とかぶる部分もあるのですが、Tumblrはあくまでも投稿者主体で、閲覧者は単なるブログの読者という感じになり、閲覧者側からすると、た くさんの面白い画像と簡単に出会える、とは言い難いものでした。一方のPinterestは、閲覧者側が色んな画像を閲覧する行為がとても楽にでき、見る側に比重を置いたサイトといえるかもしれません。
なお他の人との交流を楽しむというよりは、自分が見て気持ちいいものを集める、という使い方が主体になっていることから、厳密にはSNSというより、SBM(ソーシャル・ブックマーク)という色合いが強いと思います。
マーケッターから見たPinterest
まずユーザー層として、女性が8割というのが興味深い特徴です。女性をターゲティングしたいビジネスなら、一考の価値はあると思います。
今年3月におけるアクセス数は、Facebook: 70億に対して、2位Twitter: 1億8200万、3位Pinterest: 1億400万と、Facebookに比べ、2位以下はトラフィック的には、格段に 劣っているのは確かです。ただ、Pinterestのメインコンテンツは画像、スクロールしても画像に画像…と、とにかく画像で埋め尽くされています。ここが天才的だと思っているのですが、その中には商品写真もたくさんあります。
それらをウィンドウショッピングでも楽しんでいるかのように、中毒的に見ることにハマッている、大量の女性がいるわけです。これって凄くないですか?
企業にとってもこれほどおいしい媒体は、なかなか存在しません。仮に広告をバンバン出しても、消費者は広告とわかると、敬遠するか、無視しがちになります。ところがこのサイトでは、堂々と商品写真を掲載でき、消費者もそれを楽しんで見てくれるという、画期的な世界を作り上げてくれています(なお今のところ、Pinterestに広告表示の仕組みはありません)。
コンテンツの8割は口コミにより生じたもの
ここに面白い統計があります。Pinterest上のメインコンテンツであるPin(投稿)の80%は、Repin(共有)されて生まれたものであるのに対し、Twitterでは、僅か1.4%だけが、Retweetにより生じたコンテンツである、というものです。FacebookのPostの内、Shareにより生じたコンテンツの割合の統計も、以前どこかで見たのですが、すみません、忘れてしまいました。ただ記憶では相当低かった覚えがあります。
そもそもFacebookやTwitterは、個人でも企業でも、基本的に「ねぇねぇ、みんな聞いてよ!」というスタンスで、画像やコメント、リンクなどを投稿するもので、必然的にコンテンツの中心は、投稿者主体の内容になります。なので、それを受け取る側も、それをわざわざ人に伝達したくなることがそこまで多くないことは、容易に想像できます。また例えばFacebookで何かをShareするということは、容易にその人の趣味・趣向、知性・感性、思想・人間性を表してしまうことにもなるため、気軽にはできないと感じている人も、少なからずいると思います。
一方Pinterestの場合、何かの画像をRepinすることで、そこまで人間を判断される心配もなく、気楽に「あっこれ好きかも」くらいの感覚で共有できるため、他に比べて口コミにより生まれたコンテンツの割合比が高くても、不思議はないと思います。