勝ち組の今流ウェブマーケティングSNS編④



(U.S. FrontLine誌 2011年1月5日号 掲載分)
前回、Facebook.comにおいてファン(Like)を獲得する には、ある程度のファン数を確保してからの方が、口コミ がより広く発生する可能性が高いため、その先のファン獲 得が短時間で可能になること、そしてページ(コミュニテ ィ)の個性、面白さに惹かれて、ユーザーがファンとして 参加することで盛り上がるのがSNS(ソーシャル・ネット ワーキング・サービス)であるのに対し、大手のように汎 用性や合理化を追求し、無機質になりがちな企業の場合、 ユーザーに受けるための要素が相反しているため、ファン 数も伸び難いケースがあることをお伝えしました。

今や利用者数がGoogleをも上回るようになったほど、大 量のユーザー数を誇るFacebookですが、大手企業も含め、 ファンがほとんどいないページも多々あります。

ファンを獲得できる要素は何か?

Facebookでは、営利目的の公式ページとして、ビジネス やブランド、組織、アーティストなどのタイプが存在しま すが、ファンを少なくとも数千人以上獲得するには、例外 なくユーザーの興味を惹き付ける「何か」が必要です。そ の「何か」は何でも良いのですが、例えば、単に優れた商 品であるという理由だけで、ブランドのページが大量のフ ァンを獲得できるわけではありません。ただし、これが知 名度の高いブランドであれば、話は全然違ってきます。

また、俳優やミュージシャン、あるいはTV番組などのペ ージの場合は、人気があれば大量のファンが付くでしょう。 ほかにも、愛用していることを自慢したくなるようなブラ ンドや、ユーザー同士で共通の趣味・趣向を持つことに喜 びを感じられるようなものも、ファン獲得に向いています。

大量のファン獲得に成功しているページの例としては、 2000万人以上のファンがいるコカコーラを始めとして、ス ターバックス、オレオ(クッキー)、レッドブル(エナジー ドリンク)、ビクトリアシークレット(下着)、マクドナルド などがあります。要するに、知名度があり、それが個性や ステータスの象徴になりえるもの、ライフスタイルの一部 になっているもの、あるいはユーザーがその相手と関わ り・つながりを持ちたがっているものが受けているのです。

ファンになってくれても取り消されたらお終い フェイスブックでは、ユーザーが気に入ったページをLike 登録すると、そのページで発信された情報やコメントがユ ーザーのページに表示されますが、ユーザーがLike登録をす る時、通常は深い意味はなく、「あっ、これ好きかも」とい う程度の軽い気持ちから始まっています。そのため、Likeし たページから発信される情報が多くなり過ぎて、自分のペ ージに表示される内容を整理したくなることも多々あり、 そのページへの興味を失った、あるいは発信されてくる情 報が煩わしくなったといった理由で、一度はLikeにしたにも 関わらず非表示にしたり、Unlikeする(Likeを取り消す)こ ともあります。

そうなった場合、マーケティングという観点から見れば、 完全に失敗したと言えるでしょう。ちなみに1万人以上の ファンがいる我が社が運営するショップでは、LikeをUnlike にしたユーザーはまだ全体の約2.4%程度なので健闘してい る方だと思います。この数を抑えつつ、どのようにファン 数を伸ばしていけるかが、本当の鍵となってきます。

ユーザーにとっての存在価値の成立

SNSマーケティングでは、ユーザーの関心の先が何であ れ、「好き」という感情をかき立てつつ、ファンがページに 参加し続ける意味も常に創出し続けなければならないこと が、お分かりいただけたと思います。

扱う商材・サービスによって、SNSの向き不向きははっ きりしてくるのですが、通常は知名度が低いほど、素材の 良さだけでは不十分で、創造力を発揮し、「存在価値を成立 させられる何か」を考える必要があります。逆に言えば、 アイデア次第ではSNSに不向きな商材でもうまく扱えます。 次回は、その手法の一つであるバイラル(口コミ)マーケ ティングについてお話しします。

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