メディアについて知っておくべき事1
メディアの存在理由は主に3つだけ
基本的には営利目的、プロパガンダ目的、その両方で3つしかありません。例外的に情報伝達目的のメディア、例えばwikiやfactcheck.orgなども存在しますが極めて稀です。寄付で成り立ち非営利で、イデオロギー的に両側からの書き込みが可能など、特殊条件パターンがあるケースに限られます。(そうでなければバイアスもあり、結局のところプロパガンダ目的に近づいて行きます。)
日本では第二次世界大戦や太平洋戦争時に、政府や軍部の公式発表である大本営発表を恒常的に掲載したのが正に今の新聞の大元であったり、電通の起源を辿っても、第一次世界大戦時に通信社として確立した後、満州事変には国策会社としての通信社となった背景には、日本が自らの立場を世界へ訴え国際理解を増進させる方針で、世論を形成する新聞やその新聞にニュースを提供する通信社の必要性に着目されてのことでした。そこから枝分けして今の広告代理店となっていますが、メディアとは元々プロパガンダ目的で生まれた様なものとも言えます。
なおメディアも目的が違えば売り物としての商材自体が違って来ますし、どのタイプのメディアであるかは、運営母体やスポンサーを確認するだけでも、ある程度容易に察しも付くことも多々あります。
営利目的のメディア
営利目的であれば商材は「新しい情報」という事にはなりますが、どういう情報を売りものにしているかで更に枝分けされます。
情報メディア
情報を商材とするので、仮に誤/偽情報など出れば信用や視聴者を失う為、謝罪記事を出したり、メディアによっては担当者解雇などをして、ソースの精査や情報精度維持にある程度真剣に取り組むスタンスを取っています。とはいえ通常ならメディアにより、バイアスは必ず存在します。
海外のニュースなどは通信社から購入して自社メディア内で配信するという形態になるので、各通信社が一応純粋な情報を提供していたとしても、そこから各メディアの運営母体やスポンサーの影響で、バイアスの掛かったニュースを発信していると考える方が賢明でしょう。
比較的中立メディア例:
通信社(Reuters、AP)、BBC、npr
ReutersやAPは通信社という立ち位置なので、情報を各メディアに販売するビジネスモデルです。なので発信しているものに関しては、純粋な情報のみで余計な印象操作的な要素など削ぎ落とされたものになっている可能性が高いです。とはいえ営利目的である以上、顧客(メディア)のニーズを意識したものである事も留意しておくべきでしょう。
BBC(イギリスの国営放送)は、例えばアメリカ関連など(イギリス以外の)ニュースで何かを知りたければ、むしろバイアスを軽減できるという意味でも有用なメディアです。
nprはアメリカの民間および州が資金提供する非営利のメディアで、立ち位置的には日本のNHKに近いと思います。
右寄りメディア例:
WSJ (The Wall Street Journal)、Forbes、Bloomberg、THE HILL、Washington Examiner
経済紙などコンサバティブなセクターなら、基本的にこちら側となる傾向が強くなります。
左寄りメディア例:
NYT(New York Times)、WP(The Washington Post)、TIME、HuffPost、The Guardian
NYTなどはかなり情報精度はある方で真面目な情報メディアと言えます。アメリカのメディアは通常どの大統領候補を支持するのかを表明する慣習があり、NYTはヒラリー氏支持を表明していましたが、それでも選挙期間中、ヒラリー氏のメール問題を追及する記事もしっかり掲載していました。
但し、予備選中ではサンダース氏への強引に感じる批判記事を掲載していた辺りが、営利企業の限界だとも感じています。どんな記事だったのか詳細は忘れましたが、明らかにヒラリー氏の肩をもつ意図が透けて見えたのははっきり覚えています。ヒラリー氏のバッカーには大企業がずらりといる一方で、サンダース氏は大企業からの献金自体を拒む、希少な政治家だったわけですが、NYTのスポンサーも当然ながら大企業ですので、こういった忖度は日常的に起きるというわけです。
なおこの辺りまでのバイアスの区分けは恐らく、殆どの方でも異論はないかと思います。ここからはより私見による区分けと捉えて頂いて構いません。
完全商業メディア例:
CNN、ABC、NBC
よくあるメディア・バイアスのチャートを見ると、これらは左寄りとして紹介されているものですが、私的には明確なイデオロギーをあまりこれらからは感じません。どちらかといえば、スポンサーもしくは視聴者層が聞きたがっていることを聞かせるメディアという印象で、大勢を常に意識しており、特にブッシュ政権のイラク戦争開戦前など、完全に右寄りな報道に傾倒していたのが印象的でした。報道に強いポリシーがあるわけではなく、完全にビジネスとして割り切っているメディアに感じています。
New York Post
確実に右寄りなのですが、情報メディアとするには、ファクトチェックがかなりお粗末でルースなメディアです。
フェイクニュースメディア
フェイクニュースメディアは、とにかくクリックを稼ぐことを目指して収益に繋げようとします。情報精度を元々追求する意思も無く、視聴者が喰いつきそうな偽/誤情報を意図的もしくは無責任に発信するメディアで、ただ儲かれば良いというスタンスで、情報ソースの精査も全く行いません。
例え何らかの誤情報が判明しようが、まずそれを認めませんし、そもそも事実か否かはノーケアですので、謝罪記事を出すという概念からありません。
この手のメディアの運営組織やスポンサーが政治絡みであると、プロパガンダと営利の両方を目的としたメディア/ニュースになります。
フェイクニュース・メディア例:
InfoWars、OAN (One America News Network)、Newsmaxなど。
プロパガンダ目的のメディア
プロパガンダ目的であるメディアなら、商材は当然プロパガンダになります。政治や経済やビジネス的な何らかの情報による印象操作/洗脳を行う活動をしているわけですが、仮にメディアとしての収益性が低くとも、恐らくは発信を続けていく可能性が高いです。また必ずしも全てが偽情報というわけではなく、事実となる情報もあえて混ぜつつ、信憑性を出して信じ込ませる工夫もしているのが通常です。
なお例え何らかの誤情報が判明しようが、まずそれを認めません。そもそも事実か否かはそれ程重要だとも考えていないと言えます。
ただ例外もあり、訴えられた際には変わり身も早いです。例えばアメリカ大統領選挙で、ドミニオン社の自動集票機には不正があったかの様な報道を、何の証拠も無しに繰り返していたFox Newsは、ドミニオン社に訴訟されるや否や、いち早く誤情報だったとあっさり認めました。笑
プロパガンダ・メディア例:
Fox News、Breitbart News、Washington Times
Fox Newsは全米最大の視聴者数を誇るメディアですので当然収益性も高いわけですが、営利目的よりもプロパガンダ目的で設立されているという点で、こういう分類をしてみました。
またFox Newsの元CEOは、歴代の共和党大統領の政治コンサルタントで、トランプ氏の選挙対策委員会(選対)のアドバイザーでした。選対本部長もFox のコメンテーターで、Fox と密接なメディアを運営する人物が元選対CEOなど、メディア幹部や関係者が、実は共和党選挙戦略のブレインで固められており、共和党お抱えのプロパガンダメディアである事は、運営母体を確認するだけで、誰でも簡単に認識出来ることです。
Washington Timesの運営は、旧統一教会が行っています。