採用のコツ① 応募フィルター Hiring the Right Person, Part 1
(U.S. FrontLine誌 2014年2月20日号 掲載分)
企業は、やはり人材が要だと思います。どの企業も、で きるだけ良い人材が欲しいと考えていることでしょう。我 が社は大きく分けて、クライアント向けと自社向けの2つ のビジネスがあるのですが、クライアント系では、ウェブ マーケティングを中心にした広告代理店業からシステム開 発まで、自社系ではオンラインショップの運営などを手掛 けており、募集する人材もインターネット・マーケッター やウェブデベロッパーなど専門・技術系から、カスタマー サービスやシッパーまで、多岐に渡ることになります。
その上で、どういう人材をとるべきかを、過去のうまく いった例から分析したことがあり、ある共通点に気付きま した。それはディテールケアができることです。例えば分 析では、膨大な統計の数値を一つ一つまじめに見ていく必 要があります。プログラム・コーディングは、1文字たりと もミスコードを残すことは許されません。グラフィックデ ザインも1ピクセルのラインまで気にする仕事です。ライ ティングも誤字脱字などもってのほかです。シッピングだ って、配送先や梱包物を間違えたら、その注文の利益が吹 っ飛んで、全てが台無しです。要するに細かい人でないと、 うちにある大半の仕事が務まらないことに気付いたのです。
進化させた採用プロセス
あくまでも、うちにとって有効という話ではありますが、 このディテールケアができる人を採用するために、ちょっ とした工夫だけで、採用プロセスが飛躍的に効率アップで きたことがあり、それを少しご紹介します。
我が社の場合、求人のほとんどは英語のネイティブであ ることが必須となるので、募集をする際には、よく米系の 求人媒体に広告を出します。時期にもよるのですが、特に 初めのころなど、すぐに100件以上もの応募者からのメー ルが瞬く間に飛んでくることもざらにあり、それをすべて 読んで選別するだけでも、大変な時間を要していました。
もちろん、優秀な応募者ばかりであれば、うれしい悲鳴 なのですが、むしろその逆で、面接に呼ぶ意味もなさそう な人の方が圧倒的に多いという感じで、選別担当者のスト レスになっていました。
そこで5~6年くらい前から実践するようになったのが、 まず募集広告にいくつかのトラップを仕掛けて、それらを クリアできない人たちをフィルターすることで、採用プロ セスを短縮したのです。
ちなみにトラップといっても、実際には応募者に対して、 簡単な指示を与えるだけです。例えばメールでアプライす る際に、「件名には、ある指定した文字を入れてください」 とか、「必ずカバーレターを付け、そこに××について書い てきてください」とか、履歴書は添付ではなく本文に直接貼 り付けてください、といった感じです。ただこの指示内容 は、あえて結構長めに書いた求人広告の下の方に載せ、毎 回微妙に変えるのもコツです。
求人広告を注意深く、真剣に読んでくれる人は簡単にパ スできるのですが、そこまで注意深く読んでいない、おそ らく給与・待遇・勤務地、仕事内容など、自分に関心のあ る内容だけを把握して自己完結しているような人は、この 初歩的なトラップにも、簡単に引っ掛かります。
いくつかのトラップを仕掛けるだけ
件名トラップだけでも、媒体によって約4割はアウトの ものが来るので、その分、こちらからすれば、読まなけれ ばならないメールも減らせるわけです。
カバーレタートラップは、普段のテンプレート的にアプ ライしているやり方では通用しないようにすることで、応 募者の注意深さと本気度を測るのに使えます。
実際、アプライしたい企業を見つけたら、あとは事前に 用意した完ぺきなカバーレターと履歴書を何も考えず送れ ばいいと思っている人も多く、自動でいろいろ用意される 媒体なら、下手すると8割はこのパターンです。
惰性的にアプライ作業を繰り返している人ほどこの傾 向があり、そういう人は言い換えれば、多くの企業にアプ ライしても採用もされていない上、どこでもいいからアプ ライしている、とも読み取れます。また一度はテンプレー ト的に完ぺきに仕上げたカバーレターでも、自分で編集を 加えることで、多少なりとも文法力や文章力が必要になり、 そこでもその人のライティングスキルが確認できます。
添付ファイルを認めないと、完ぺきにレイアウトして事 前に用意した履歴書をそのまま使えないので、メールの本 文に組み込む過程で、フォーマットなどが崩れることもあ り、初歩的なITのスキルをうかがい知ることができる場合 があります。
人は何かが欲しい時、欲しい度合いに比例したその人の ベストを尽くします。つまり応募作業に掛けてくれる力の 結果から、その人を採用してすぐに期待できる最大のパフ ォーマンスは予測できます。次回に続きます。
アメリカ ロサンゼルス アーティザン・クルーという広告代理店/IT会社の求人・人材募集情報はこちら
求人・人材募集情報]
企業は、やはり人材が要だと思います。どの企業も、で きるだけ良い人材が欲しいと考えていることでしょう。我 が社は大きく分けて、クライアント向けと自社向けの2つ のビジネスがあるのですが、クライアント系では、ウェブ マーケティングを中心にした広告代理店業からシステム開 発まで、自社系ではオンラインショップの運営などを手掛 けており、募集する人材もインターネット・マーケッター やウェブデベロッパーなど専門・技術系から、カスタマー サービスやシッパーまで、多岐に渡ることになります。
その上で、どういう人材をとるべきかを、過去のうまく いった例から分析したことがあり、ある共通点に気付きま した。それはディテールケアができることです。例えば分 析では、膨大な統計の数値を一つ一つまじめに見ていく必 要があります。プログラム・コーディングは、1文字たりと もミスコードを残すことは許されません。グラフィックデ ザインも1ピクセルのラインまで気にする仕事です。ライ ティングも誤字脱字などもってのほかです。シッピングだ って、配送先や梱包物を間違えたら、その注文の利益が吹 っ飛んで、全てが台無しです。要するに細かい人でないと、 うちにある大半の仕事が務まらないことに気付いたのです。
進化させた採用プロセス
あくまでも、うちにとって有効という話ではありますが、 このディテールケアができる人を採用するために、ちょっ とした工夫だけで、採用プロセスが飛躍的に効率アップで きたことがあり、それを少しご紹介します。
我が社の場合、求人のほとんどは英語のネイティブであ ることが必須となるので、募集をする際には、よく米系の 求人媒体に広告を出します。時期にもよるのですが、特に 初めのころなど、すぐに100件以上もの応募者からのメー ルが瞬く間に飛んでくることもざらにあり、それをすべて 読んで選別するだけでも、大変な時間を要していました。
もちろん、優秀な応募者ばかりであれば、うれしい悲鳴 なのですが、むしろその逆で、面接に呼ぶ意味もなさそう な人の方が圧倒的に多いという感じで、選別担当者のスト レスになっていました。
そこで5~6年くらい前から実践するようになったのが、 まず募集広告にいくつかのトラップを仕掛けて、それらを クリアできない人たちをフィルターすることで、採用プロ セスを短縮したのです。
ちなみにトラップといっても、実際には応募者に対して、 簡単な指示を与えるだけです。例えばメールでアプライす る際に、「件名には、ある指定した文字を入れてください」 とか、「必ずカバーレターを付け、そこに××について書い てきてください」とか、履歴書は添付ではなく本文に直接貼 り付けてください、といった感じです。ただこの指示内容 は、あえて結構長めに書いた求人広告の下の方に載せ、毎 回微妙に変えるのもコツです。
求人広告を注意深く、真剣に読んでくれる人は簡単にパ スできるのですが、そこまで注意深く読んでいない、おそ らく給与・待遇・勤務地、仕事内容など、自分に関心のあ る内容だけを把握して自己完結しているような人は、この 初歩的なトラップにも、簡単に引っ掛かります。
いくつかのトラップを仕掛けるだけ
件名トラップだけでも、媒体によって約4割はアウトの ものが来るので、その分、こちらからすれば、読まなけれ ばならないメールも減らせるわけです。
カバーレタートラップは、普段のテンプレート的にアプ ライしているやり方では通用しないようにすることで、応 募者の注意深さと本気度を測るのに使えます。
実際、アプライしたい企業を見つけたら、あとは事前に 用意した完ぺきなカバーレターと履歴書を何も考えず送れ ばいいと思っている人も多く、自動でいろいろ用意される 媒体なら、下手すると8割はこのパターンです。
惰性的にアプライ作業を繰り返している人ほどこの傾 向があり、そういう人は言い換えれば、多くの企業にアプ ライしても採用もされていない上、どこでもいいからアプ ライしている、とも読み取れます。また一度はテンプレー ト的に完ぺきに仕上げたカバーレターでも、自分で編集を 加えることで、多少なりとも文法力や文章力が必要になり、 そこでもその人のライティングスキルが確認できます。
添付ファイルを認めないと、完ぺきにレイアウトして事 前に用意した履歴書をそのまま使えないので、メールの本 文に組み込む過程で、フォーマットなどが崩れることもあ り、初歩的なITのスキルをうかがい知ることができる場合 があります。
人は何かが欲しい時、欲しい度合いに比例したその人の ベストを尽くします。つまり応募作業に掛けてくれる力の 結果から、その人を採用してすぐに期待できる最大のパフ ォーマンスは予測できます。次回に続きます。
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