勝ち組の今流ウェブマーケティングSNS編②
(U.S. FrontLine誌 2010年12月5日号 掲載分)
前回、今のアメリカにおける代表的なSNS(ソーシャ ル・ネットワーク・サービス)サイト、Facebook.comが 利用者数でGoogleを上回ったばかりでなく、広告媒体とし てもいかに優れているかについてお話ししました。オンラ インコミュニティという特性から当然とはいえ、ユーザー の50%が毎日サイトにログオンしているというのも、すご い話です。
さて、実際にFacebookでSNSマーケティングを行うとは、 どういうことなのでしょうか? 本題に入る前に、まずは 念のため、Facebookの仕組みについて簡単に説明します。
Facebookは格好の口コミ媒体
Facebookでは、ユーザーがアカウントを開き、簡単なプ ロフィールを登録すると、メッセージの送受信やチャット、 写真や動画の共有、ブログなど、様々な機能を無料で利用 できます。モバイル端末からの情報の閲覧や更新も非常に 手軽に行えます。
ユーザーは「Friend」として登録した相手とのコミュニケ ーションを楽しめるほか、任意でページ(コミュニティ) を作成し、自ら情報発信することも可能ですし、気に入っ たページに参加して、情報を受け取ったり、コメントやデ ィスカッションをしたりすることも可能です。
自分のアカウントページには、Friendとして登録したユー ザーからのメッセージや共有情報も表示されるので、「友達」 が気に入ったページや記事、トピック、画像などが、画面 を通して瞬時に紹介されます。その中で自分も興味がある 内容があれば、クリックして簡単に読み進めていけるので、 口コミによる情報伝達がオンライン上で簡単に起きる環境 が用意されているといえます。
Facebookには、営利・非営利目的を含めて様々なページ が存在していますが、個人やお店、企業が自身の目的に合 わせて、ビジネス、ブランド、ファンなど適切なカテゴリ ーを選んでページを作成し、そのページを気に入って「Like」 登録してくれるファンを募っていくことで、先に説明した 情報共有機能により、Like登録してくれたユーザーの友達へ、 そしてまたその友達へとページの存在を広めていくことが できます。
また、ページを通して情報発信やファンとの対話ができる ので、積極的な販促を行うことも可能です。ビジネス的に は、Facebookのページが言わば、消費者へ向けた「企業の 顔」となるわけです。
ページを作るだけではダメ
単にFacebookにページを持つだけなら、5分もあれば、 誰でも簡単にできます。しかし、自社のホームページを作 り公開しただけでは何も起きず、ビジターを獲得できて初 めてウェブマーケティングとして意味を成すのと全く同じで、 SNSマーケティングは、乱暴な言い方をすれば、Like(ファ ン)やFriendの数をいかに増やしていくかにかかってきます。
米市場をターゲットとしている企業やビジネスであれば、 既にFacebookでページを持っているところも多いと思いま す。しかし、実際にファンやFriendを何人獲得できているで しょうか?
最低でも数千人のファンが必要
失礼ながら、大手企業でさえも「これだけしかファンがい ないの?」という状況を目にすることが多々あります。も ちろん、ビジネスの内容や、SNSマーケティングにかける 予算や時間などによっても全く違ってきますが、我が社の 経験からすると、少なくともファンの数が数千人を超えて、 ようやくSNSマーケティングの効果を実感できてくると思 います。
言い換えれば、数百人程度のファンでは、本当のSNSマ ーケティングを実践できているとは言い難いのです。全て に通用するわけではありませんが、我が社の経験上、限ら れた予算であってもやり方によっては、毎週1000人の単位 でファンを増やしていくことも可能です。
要するに、SNSマーケティングは、プロのノウハウとア イデアを駆使してようやく実践レベルになるマーケティン グ手法の一つといえます。次回もこの続きをお話します。