そのシステム開発費、適正ですか?
システム開発費が決して安いものではないということは、皆さんも何となくご存知かと思います。業務管理系システムであれば、極めて小さい規模でも5千~数万ドル、中規模で数十万ドル、大規模なら数百万ドルになります。一方、インターネット上で機能するウェブ系システムですと、どんなに大規模でも、通常は数十万ドルです。とはいえ、それでも決して安くはありません。
開発費はどうやって計算する?
では、こんな高額なシステム開発費を、そもそもどうやって算出しているかご存知ですか? よく利用されるのが「人月計算」という算出方法です。1人の開発者が1カ月間、開発に携わる場合を「1人月」とし、何人が何カ月間、開発に携わるかによって開発費を計算するわけです。例えば3人体制で5カ月開発するとすれば「15人月」となります。そして「1人月」当たりの単価は、ソフト会社によって違います。私が知る限り、日本なら70~150万円/人月という具合です。ですので「15人月」ですと、最低で1050万円の開発費となります。
逆に、すごく優秀で生産性の高い開発者がいたとしても、なかなか開発費には反映し難いものです。例えば、「うちの開発者は10倍優秀ですから、700万円/人月いただきます」なんて言おうものなら、顧客は確実に引いてしまうでしょう。
開発人数とクオリティーは反比例する
某大手自動車メーカーに勤める友人が、総勢100人の開発者を使った大規模な社内システム開発プロジェクトを日本時代に担当したと、自慢げに話していました。「そんな案件は、まずうちの会社へもってこい!」と軽く突っ込んだのですが(笑)、正直、開発者が100人も必要なこと自体を疑問に感じました。「短期間で終わらせるため?」と聞いたところ、少なくとも1年以上は費やしたそうですから、特に早いわけでもありません。詳細を知らないので推測ですが、開発予算がたくさん欲しいソフト会社側は、見積もり段階で提示した高額の開発費に、「人月計算」で帳尻を合わせようとして、開発者を100人用意しなければならなかったのかもしれません。
大勢で分業して開発すると、それぞれのスキルの差や業務知識、視野の違いがあるため、少人数で開発したときより品質が落ちやすいことを私は知っています。そのために開発自体が失敗する場合だってあり得ます。
その一方で私は、開発費5億円相当のPOSシステム(*)をわずか3人で開発した人たちを知っています。開発期間はよく覚えていませんが、少なくとも1年以内だったはずです。実質半年くらいだったかもしれません。「人月計算」で考えると、どんなに少なく見積もっても軽く1000万円/人月以上となります。私自身も、開発費3000万円程度のシステムなら、1~2人で2~3カ月かけて全てをこなすのが普通です。この場合も、「人月計算」では最低、500万円/人月となります。
開発費はシステムの価値で決まるべき
開発費を算出する際、本来なら、「このシステムを導入すれば幾らのメリットが生じるから、幾ら投資する価値がある」という考え方をすべきだと思います。もちろん、この算定方法も決して簡単ではないのですが、「人月計算」だけではやはり無理があります。
クライアント側に「このシステムには、これだけ支払う価値がある」という考え方を、ソフト会社側にも「開発に携わる人数や開発にかかった期間の長短に関わらず、使えるシステムを納期までに納めるのが責務」というスタンスを浸透させるべきです。そうすればわざわざ開発者100人を用意したりするような無意味な人月調整がなくなるばかりか、納期が予定より早くなる可能性も出てきます。そして、システムの品質も高まるというメリットも生じるでしょう。
開発費はどうやって計算する?
では、こんな高額なシステム開発費を、そもそもどうやって算出しているかご存知ですか? よく利用されるのが「人月計算」という算出方法です。1人の開発者が1カ月間、開発に携わる場合を「1人月」とし、何人が何カ月間、開発に携わるかによって開発費を計算するわけです。例えば3人体制で5カ月開発するとすれば「15人月」となります。そして「1人月」当たりの単価は、ソフト会社によって違います。私が知る限り、日本なら70~150万円/人月という具合です。ですので「15人月」ですと、最低で1050万円の開発費となります。
逆に、すごく優秀で生産性の高い開発者がいたとしても、なかなか開発費には反映し難いものです。例えば、「うちの開発者は10倍優秀ですから、700万円/人月いただきます」なんて言おうものなら、顧客は確実に引いてしまうでしょう。
開発人数とクオリティーは反比例する
某大手自動車メーカーに勤める友人が、総勢100人の開発者を使った大規模な社内システム開発プロジェクトを日本時代に担当したと、自慢げに話していました。「そんな案件は、まずうちの会社へもってこい!」と軽く突っ込んだのですが(笑)、正直、開発者が100人も必要なこと自体を疑問に感じました。「短期間で終わらせるため?」と聞いたところ、少なくとも1年以上は費やしたそうですから、特に早いわけでもありません。詳細を知らないので推測ですが、開発予算がたくさん欲しいソフト会社側は、見積もり段階で提示した高額の開発費に、「人月計算」で帳尻を合わせようとして、開発者を100人用意しなければならなかったのかもしれません。
大勢で分業して開発すると、それぞれのスキルの差や業務知識、視野の違いがあるため、少人数で開発したときより品質が落ちやすいことを私は知っています。そのために開発自体が失敗する場合だってあり得ます。
その一方で私は、開発費5億円相当のPOSシステム(*)をわずか3人で開発した人たちを知っています。開発期間はよく覚えていませんが、少なくとも1年以内だったはずです。実質半年くらいだったかもしれません。「人月計算」で考えると、どんなに少なく見積もっても軽く1000万円/人月以上となります。私自身も、開発費3000万円程度のシステムなら、1~2人で2~3カ月かけて全てをこなすのが普通です。この場合も、「人月計算」では最低、500万円/人月となります。
開発費はシステムの価値で決まるべき
開発費を算出する際、本来なら、「このシステムを導入すれば幾らのメリットが生じるから、幾ら投資する価値がある」という考え方をすべきだと思います。もちろん、この算定方法も決して簡単ではないのですが、「人月計算」だけではやはり無理があります。
クライアント側に「このシステムには、これだけ支払う価値がある」という考え方を、ソフト会社側にも「開発に携わる人数や開発にかかった期間の長短に関わらず、使えるシステムを納期までに納めるのが責務」というスタンスを浸透させるべきです。そうすればわざわざ開発者100人を用意したりするような無意味な人月調整がなくなるばかりか、納期が予定より早くなる可能性も出てきます。そして、システムの品質も高まるというメリットも生じるでしょう。