2013年4月4日木曜日

アメリカ文化、 どこまで理解できていますか?



(U.S. FrontLine誌 2011年3月5日号 掲載分)
以前、アメリカの実情を理解しようともせず、「日本では こう売れた」的な思い込みだけで突っ走ろうとする日系メ ーカーをよく見るというお話をしました。

特に日本で生まれ育った日本人が、アメリカの歴史的背景 や文化、慣習、価値観などを、アメリカ人並みに理解する には無理があると思います。アメリカは多民族国家ですの で、なおさら複雑なのです。

(もっと詳しくアメリカ進支について知りたい方はこちらも参照ください。 アメリカ進出サポートサービス )

仮に、アメリカに移住して20年以上住んでいる人だとし ても、それまで周りのアメリカ人とどの程度の関わり合い を持ち、どのような生活をしてきたのかが重要です。スム ーズに英会話をされているような方であっても、深層的な アメリカ文化の理解という意味では、意外にも危うい方々 をたくさん見てきました。文化・言語の奥の深さを本当に 実感できていれば、アメリカ市場におけるマーケティングは、 アメリカ人の協力が不可欠であることも理解できるはずで す。ただ残念ながら、未だに甘く見ているケースと遭遇し てしまうので、自分たちの認識不足が原因で市場で負ける べくして負けていることに早く気付いて欲しいものです。

「かわいい」は褒め言葉ではない?

以前に取り上げた、我が社が窮地から救った日本のあるメ ーカーも、アメリカ文化の理解という観点において、ター ゲットの選定と売り方の基本戦略から致命的な間違いをし ていました。最初に「なぜ自分たちの商品がアメリカで受 けると思っているのか? 何が優れているのか?」と尋ね たところ、「かわいい」デザインだからという返答でした。 そして、その商品は、日本では中学生くらいの女の子たち に「かわいい」という理由で受けているため、それがアメ リカにおいても、同じように通用すると考えていたのです。

アメリカの場合、まず「かわいい」という価値観自体が、 アジア圏とでは大きく異なっています。例えば、日本であ れば、成人女性に対する褒め言葉として、「美人だね」「かわ いいね」などが通用すると思いますが、アメリカの成人女 性に対して「Cute(かわいいね)」という表現を使った場合、 それは「年齢の割には未熟だね」といったニュアンスの、 むしろ当人も言われてあまり嬉しくないような意味に受け 取られる方が一般的なようです。大人に対して「かわいい」 という日本の価値観が通じるのは、アニメ好きのオタクと アジア系くらいだと考えておいた方が無難でしょう。

ティーンガールは大人の女性を目指す

そして、日本とのもう1つの決定的な違いとして、アメリ カのほとんどのティーンの女の子たちは、大人の女性が形 容されるような状態を目指しています。それは、例えば 「セクシー」「美人」「クール」といった路線で、決して「か わいい」ではないのです。もちろん、先に述べた「かわい い」に関する価値観の違いが大きく起因しているのだと思 いますが、一般的に中学生は高校生を、高校生は大学生を マネたがる傾向にあり、自分たちよりも年上の女性が目指 してもいないものを、若い年齢層が目指すことはないので す。

我が社は、まずそのメーカーの商品はアメリカにおいては、 「かわいさ」ではなく、「Funny(面白い)」という理由で受 ける可能性の高いものだということを指摘し、ターゲット 層も最初はティーンではなく、大学生以上の男女を狙うべ きであることを伝え、基本戦略から修正させました。仮に ティーンをどうしても狙いたかったとしても、先に大学生 あたりから浸透させ、徐々に購買年齢層が下がっていくと いう展開の方が現実的であり、数年後に達成させると考え るべきものなのです。

ブランド名も、我が社がその案件を担当する前に、既にそ のメーカーの現地担当が(つまりマーケティングに関して は素人が)考え出したもので展開していたのですが、基本 戦略もターゲット層も大きく間違った上で考えられたもの であったため、多くの男性からは敬遠されがちな名前にな っていました。

そのリスクや現状を最初は口頭で説明したのですが、なか なか理解されなかったので、既にあった販売店やフォーカ スグループのアンケート結果を突きつけることで、ようや く納得してもらうことができました。そのまま間違った方 向に突き進んでいたら、そのメーカーは今頃、アメリカか ら撤退しなければならなかったことでしょう。

もっと詳しくブランディングについて知りたい方はこちらも参照ください:ブランディングが必要な理由

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