2016年3月25日金曜日

モバイルフレンドリーが必須化

(U.S. FrontLine誌 2015年5月5日号 掲載分、一部加筆あり)
先日Googleが、重大な発表をしました。4月21日より、モバイル対策されていないサイト(ページ)は、モバイル検索の順位を降格するという主旨の内容です。さて、この件について触れる前に、モバイル検索と聞いて、自社ビジネスにはあまり関係ないと思われている読者がいれば、果たして本当にそうだろうかと、私なら疑ってしまいます。
理由は簡単で、アメリカの統計で見ても、9割以上の人が携帯電話を所有し、6割以上の人は、スマートフォンからインターネットを閲覧しています。さらにソーシャルメディアの利用の5割以上、Eコマースも3割以上がモバイルユーザーという時代になっており、この割合は年々増加の一途を辿っているのです。
そういう時代背景もあってのことですが、Googleは以前より、モバイル対策の必要性を促してきました。そして今回、具体的な日付と共に、モバイルフレンドリーになっていないサイト(厳密にはページ単位のようですが)をモバイル検索の結果において、順位を降格させると、明言してきた意味は大きく、業界関係者内では騒然となりました。


Googleからの衝撃的発表の要点

Googleのジョン・ミューラー氏によると、今回発表されたモバイルフレンドリー・アルゴリズム(モバイルアルゴ)で影響を受けるのは、あくまでもモバイル(スマートフォン)による検索結果のみとのことです。
自社サイトがモバイルフレンドリーであるかは、Googleの提供する公式テストツールにより確認できます。https://www.google.com/webmasters/tools/mobile-friendly/
このテストでパスしないサイトが、順位降格対象になるということです。なお、このモバイルアルゴは、リアルタイムで評価されるとのことなので、仮に4月21日に間に合わなくとも、最悪は順次対応していく意味はありそうです(Googleで有名なパンダやペンギンアップデートと呼ばれるアルゴ変更の場合、サイト評価をする頻度にかなり間隔があるので、更新のタイミングを逃すと痛いことになります)。
なお、現在のGoogleでは、ページのロードタイムを評価するページスピードアルゴや、広告とコンテンツの位置関係的なページレイアウトを評価するトップヘビーアルゴなどは、デスクトップ用のサイトでの評価をそのままモバイル検索へも適用していますが、今後は正式にモバイルアルゴが発表されたこともあり、こういったアルゴもモバイル検索用に個別に評価されるようになることは容易に予想できます。

モバイル対応なら、レスポンシブWebデザインで

ウェブサイトをモバイル対応させる手法として、以前本稿でもご紹介しましたが、GoogleはレスポンシブWebデザインという手法を推奨しています。
モバイル専用サイトを、デスクトップ用サイトとは別に構築した場合と比較すると、各ページのURLが一本化できることで、ページロードタイムも節約でき、ユーザーがシェアやリンクするのにも便利であり、コンテンツを二重に管理する必要がなくなるので、メンテナンス性に優れ、管理ミスも軽減されます。またもちろん、Google自体の様々な負荷も減るわけですから、推奨してくるのは極めて当然と言えます。
これからモバイル対応をされるのであれば、他の選択肢もあるとはいえ、レスポンシブWebデザインを考慮するに越したことはないと思います。レスポンシブWebデザインについてはこちらを参照。

もちろん、SEOありきの話

モバイル対策という行為は、あくまでも今回のモバイルアルゴで、順位を大きく降格させられることへの回避策でしかなく、SEO(自然の検索結果での上位表示)レースにおける、いわば出場資格を得るための行為に過ぎないわけです。本当に上位表示されたければ、もちろん、別途SEO用の対策を講じなければなりません。一般的なSEOについて、理解にあまり自信のない方は、「SEOについて知っておくべき10のこと」というページを当社で作成していますので、ご一読いただくとよいかもしれません。
検索エンジンで上位表示させる手法は、何もSEOだけではありませんが、少なくとも何らかの集客手法を講じていなければ、トラフィックのほとんどないサイトにしかならないので、マーケティングに活用するのは難しいでしょう。
検索エンジンをマーケティングに活用するSEMレースについてはこちらも参照してください。

2016年3月10日木曜日

心に訴えかけるSMMの力

(U.S. FrontLine誌 2015年08月20日号 掲載分、一部加筆あり)

アメリカにおいて、ソーシャルメディアマーケティング(SMM)と言えば、やはりFacebookを使ったマーケティングが代表的ですが、企業は実際にSMMをどれくらい有効活用できているでしょうか? 今回は、在米日系企業の某オフィス用品・文房具メーカーであるクライアントの公式Facebookページにおいて、当社が実際に図ったSMMの事例をご紹介したいと思います。

クライアントは、Breast Cancer Research Foundation(BCRF)という非営利の乳がん研究団体の支援に、乳がんの象徴であるピンクリボンマークを付けたピンク色の商材の売上の一部をBCRFへ寄付することを決め、これについて何かできないか? と当社へ相談を頂いたのが始まりでした。

乳がんに対するサポートキャンペーンは、多くの企業が行ってはいますが、近年、真面目で深刻な問題を逆に単なる営利目的に利用していると、消費者から大きな反感を買ってしまっているようなケースも多々あります。そこで、とにかく「乳がんへの意識を高めること」を、誠実で素直に伝えられることにかなり気を配りつつ、低予算でもできそうな効果的なキャンペーンは何かを、考えることにしました。

まず10月は乳がんの啓発月間として知られており、その時期には、さまざまな団体・企業が乳がんに関するキャンペーンを行うのですが、逆に他が多過ぎて埋もれてしまうので、あえて年中を通して乳がんを意識すべきという主張とともに、実施時期を7月に設定しました。

母親が自身の体型を気にして、家族写真に写りたがらないケースが増えているという記事があり、後になって後悔しているとか。また毎年かなりの数の人が乳がんで亡くなっています(アメリカで、今年は40,290人が亡くなる見込み)。こうした現状を踏まえ、BCRFのキャンペーンで、母親を対象にこんなコンセプトを考えてみました。

心に刺さるキャンペーン

自意識過剰から写真に写らない、また(乳がん検診などを受けず)健康管理を疎かにする、いずれもこの先の家族写真から自分を消してしまう行為であり、母親を半透明にした画像で、この2つのメタファーを分かり易く連想させようと考えました。

また「staying in the picture」(写真 or 人生に残る)という表現で、最近撮った自分が写っている家族写真を投稿することを呼びかけ、同時に乳がんを意識することも訴えました。そして写真を投稿してくれた人の中から、クライアントの商材のセットを進呈する当選者をランダムに選ぶと も告知したのです。

このキャンペーンをFacebookで実施してから、1週間で12.8万人以上へリーチし、のべ2500以上のLike、360以上のシェア、770以上のコメント(写真投稿コンテストの参加者)になりました。

何らかのコンテストを実施された経験のある方ならお分かり頂けると思いますが、余程高額な賞品と宣伝費を投じなければ、ここまで盛況にするのは難しく、掛けた広告費は僅か250ドルで、シェア、Likeもしくはコメントなどアクションを5883人が行ったため、1人当たり4セントでアクションを獲得した計算です。

そして何より嬉しかったのが、参加者の投稿内容が、見ているだけでも心温まるものばかりで、「思い出せてくれてありがとう」と主旨を理解し、共感してくれた人が本当に沢山おり、中には「母親を乳がんで亡くしたが、一緒の写真が3枚しかなく、子供を同じ目に遭わせない」など、感謝されながらクライアントのCSR(企業の社会的責任)として強いブランディングにも繋がるという、理想的かつ、これぞSMMのなせる技という結果でした。

Facebookでの実際の投稿はこちら。

成功要因

この結果を得られたのは、コンセプトが人に刺さったのは勿論ですが、SMMを理解するネイティブのエキスパートが、全員へタイムリーかつ丁寧にレスをしていたことも大きく、たとえネット上であっても、テンプレート的な対応ではなく、リアルに心から接していくことがいかに重要であるかを示す好例と言えます。また既に2万人以上のファンがおり、普段から反応のある投稿を心掛けていたことも重要です。

ファンが少なければ、必然的に広告費を使わないと人には見られませんし、数人のLikeしかされないような、エンゲージメント率の低い投稿を続けていると、Facebookから価値がないとみなされ、たとえファン数があっても投稿をほとんどの人へ見せてくれなくなります。

たまたま最近、乳がんの手術を受けた大学の先輩もおり、私的にも関心が高いトピックで、感慨深い思いをさせて頂き、クライアントや共感してくれた参加者にとても感謝しています。こういう仕事なら、幾らでもやりたいですね。

[もっと詳しくソーシャルメディアマーケティング(SMM)について知りたい方は、こちらも参照ください:]

SMMについて、知っておくべき10のこと

なぜソーシャルメディアマーケティングが重要か