2015年10月20日火曜日

採用のコツ③ 分析・認識能力 Hiring the Right Person, Part 3

(U.S. FrontLine誌 2014年3月20日号 掲載分)

前回は、問題発生後のリアクションや、面接前のその人 の行動や努力から、評価対象にしていること、誰の時間を 惜しむタイプかを見極めようとしていることなど、我が社 の採用プロセスを例にご紹介しました。今回は面接に入っ てからの話です。

以前の職場を変わった理由は、おそらくどこの会社でも、 必ず聞かれることかと思います。その中で、会社が倒産し た、縮小して部署がクローズした、人員削減でレイオフさ れたというケースもあると思います。

そうした場合に、必ず聞くことにしているのが、「なぜそ のビジネスがうまく行かなくなったと思うか?」です。勿論、 この手の話は、一方から一部の話を聞いたところで、正解・ 不正解を判断できるようなことではありませんが、少なく ともその人が前の職場で何を考え、どういうスタンスで働 いてきたのかを知るには、かなり役立ちます。また問題分 析能力は、仕事で成長するには欠かせないものです。一従 業員として働いていたとしても、企業側の視点から、物事 を見られる人とそうでない人とでは、自ずとその人に期待 できるパフォーマンスも大きく違ってくるものです。

ある応募者のケース

私が立ち会った面接で、覚えているケースを少しご紹介 します。前職は某米系企業にSNSマネージャーとして採用さ れ、半年ほど勤めた、というアメリカ人女性の応募者でした。

近年、FacebookなどSNSの企業ページでの投稿や書き込 みを管理する、SNSマネージャーという職種の必要性が企 業でも注目され、我が社でもそういったサービスをクライ アントへ提供していることもあり、時折、そういうポジシ ョンの募集をすることがあります。主な仕事は、Facebook ページのファン(Like)が増えるような投稿やプロモーショ ンを考えたり、ユーザーからの書き込みに対応したりとい った仕事です。

いつものように、前職について尋ねてみたところ、「その 企業はFacebookページを開設し、その管理者として自分が 雇われたが、不景気のため、そのポジションがなくなった」 とのことでした。後任もいないようなので、「そのポジショ ンがなくなった」のは、おそらくその通りのようでした。

続けて、その企業で半年間、実際にどういうことをやっ ていたのかを尋ねると、その企業のFacebookページ上の自 分で撮影・編集して投稿した画像や、ブログの投稿記事な どを見せてくれました。

ビジネスは結果が全て

この方は正直さという面で、非常に好感が持てたので すが、採用という面では、残念ながら即時にうちでは難し いと感じました。理由は、彼女が多少得意げに見せてくれ たいくつかの投稿内容は、質的には悪くはなかったのです が、Likeが1~2人しかなく、そのページのファン自体も、 230人程度しかいなかったからです。

自分の仕事のゴールが何であるかを理解できていれば、 少なくともこんな痛い結果を、元気に人に見せてはいない と思うのですが、結果ではなく、自分が行ったタスク自体 に、何らかの価値があると思い込んでいる人には、とても 危険を感じます。

本人の中では“不景気”が原因だったかもしれませんが、 その企業が、支払った人件費を単純に広告費にでも回して いれば、おそらく数万人以上のファンが獲得できていたで あろう事実を考えると、単に費用対効果が見合っていない と判断されたことは、簡単に推測できました。

ゴールと自分の価値を追及する姿勢

なお実際に作成しているコンテンツの質は良いけれど、 反応があまり得られないことは、実は簡単に起こり得ます。 我が社でも自社ショップ関連ページでの投稿では、簡単に 良い反応が得られるのに、クライアントのページでは苦戦 するケースも正直あります。

そういう場合、根本の露出が全然できていない可能性が 高く、元々見てくれている人数が少なければ、空回りで終 わってしまうわけです。結局は、ファン数をある程度確保 してから投稿するか、広告費を投じて露出させるしか道は なく、彼女のケースもそういった状況であったことも予想 できるし、企業側にもそういった理解がなかったであろう ことは、気の毒にも思います。

ただ自分の仕事のゴールが何であり、企業がその人を雇 う目的・価値が何であるかを、常に本気で意識していれば、 問題を自分で認識・分析し、試行錯誤しながらでも、改善 案を提案していくぐらいの姿勢が見たいのです。一人で結 果を出すところまでを期待されて採用されたような状況で あれば、なお更です。

アメリカ ロサンゼルス アーティザン・クルーという広告代理店/IT会社の求人・人材募集情報はこちら
求人・人材募集情報]

2015年10月6日火曜日

採用のコツ② 面接前から読み取る Hiring the Right Person, Part 2

(U.S. FrontLine誌 2014年3月5日号 掲載分)

前回は、我が社の仕事にうまくフィットできる人には、 ディテールケアができるという共通点があることを見出し、 応募の段階からそういう人を選りすぐる方法として、メー ルの件名に指定した文字を必ず入れてもらうとか、カバー レターに必ず特定の内容を書いてもらうなど、応募者がテ ンプレート的なアプライができないよう、簡単なトラップ を仕掛けておくことで、かなりフィルターできるようにな り、採用プロセスが効率化されたことをご紹介しました。

今回は、面接段階からの話です。一応私は、採用する側 の目線で書いていますが、応募する人も企業はこういう見 方をしている(かもしれない)と視点を替えて読んで頂ける と、何かの参考になるかもしれません。但し、もしかした ら、うちだけに通用する話になっていることもあると思う ので、その辺はご了承ください。



問題発生後のリアクションを見ている 面接時間より20~30分も前に着いた方が、そのままオ フィスに入ってこられることがあるのですが、当たり前の ような感じで来られると、相手の事情をケアしない(自己 中)タイプとみなし、うちならマイナス評価にしかなりませ ん。申し訳なさそうに来られても、許せるのは最大15分前 くらいでしょうか。

また面接に遅れてきた場合、遅刻の程度にもよりますが、 遅れるとわかるどれくらい前に、電話を入れてきているか をまず考慮します。また相手が到着した際には、「どうされ ましたか?」と弁明のチャンスをあげようとします。

こちらとしては、何かメイクセンスする理由を聞きたく てそうしているわけですが、「いや、別に」みたいな返しを されると、ビジネスマナー、相手の質問の主旨を瞬時に汲 む能力、という点で既にアウトであることが簡単に判明し ます。仮に相手には正当な理由がまったくなかったとして も、それこそ何かユーモアででも笑わせてくれれば、許す 気になれるかもしれません。

また「履歴書を持参頂いていますか?」に対してNoであ ると、最初からマイナススタートといえます。もちろん、既 にこちらは受け取っているものですし、家にプリンタがな いというケースも理解はしていますが、やはりビジネスマナ ー、相手への気配り、面接に対して努力していいと本人が 思っている度合いという面で、イエローフラッグが立ちます。

専門職は、面接前の行動からも色々分かる

例えばウェブデベロッパーのポジションへ応募された方 には、必ず過去に携わったサイトを見せてもらうのですが、 HTMLソースを出して、「この部分は何をしているコードか わかりますか?」と尋ねて完璧に答えられた方は、過去1割 もいなかったような気がします。

「フォトショップが使えます」も、かなりの人が口にされ るのですが、実際の仕事で通用するくらいにツールを最初 から使いこなせていた方も、やはり1割もいない感じです。 ちなみにこれらは、それ関連の仕事で、既に食べてきた経 歴の人々での話です。

また面接でよくお話しするのですが、例えば専門・技術 職をこれからめざす人で、会社に入ってから色々教われば、 一生懸命がんばりますよ的なスタンスがよく見受けられる のですが、何で素人なりにでも、インターネットや自宅の パソコンを使って、見よう見真似でもできることからやっ てみようとしていないのか、不思議でなりません。

今はハードもソフトも安いし、ネット上からいくらでも 情報を拾えます。その職種にパッションがあり、本気で極 めようと思っていれば、まずは自分でやってみようとする 姿勢はもちろんのこと、自力でどこまで到達できたのかを 見たいところです。

誰の時間を惜しむタイプかを見極める

それをあえてしていない人は、恐らくパッションも知れ ており、自分で努力するという労力を惜しんでいる人です。 もっといえば、相手に色々教えてもらえばいいという受け 身の姿勢なので、相手に時間を費やさせることには抵抗が ない反面、自分の時間は惜しむタイプの人が多いと分析し ています。

先の例でも、ウェブデベロッパーになるために、HTML コーディングのスキルは必須ですが、基礎の基礎くらいな ら、適性があれば、参考書を3時間も読めばマスターでき てしまうことです(勿論、実践では多様なブラウザ・OSに 対応させるだけでも、かなり奥は深くなりますが)

フォトショップも、例えば人気サイトにあるような、お 題の画像を加工して競うコンテストに応募して、フィード バックも受けながら腕を磨くこともできます。実際、私の パートナーは、自分の時間でそうやってコツコツ腕を磨き、 優勝できるくらいにまでなっていきました。まあ、10年く らい前の話ですけどね(笑)。

アメリカ ロサンゼルス アーティザン・クルーという広告代理店/IT会社の求人・人材募集情報はこちら
求人・人材募集情報]

2015年10月2日金曜日

採用のコツ① 応募フィルター Hiring the Right Person, Part 1

(U.S. FrontLine誌 2014年2月20日号 掲載分)

企業は、やはり人材が要だと思います。どの企業も、で きるだけ良い人材が欲しいと考えていることでしょう。我 が社は大きく分けて、クライアント向けと自社向けの2つ のビジネスがあるのですが、クライアント系では、ウェブ マーケティングを中心にした広告代理店業からシステム開 発まで、自社系ではオンラインショップの運営などを手掛 けており、募集する人材もインターネット・マーケッター やウェブデベロッパーなど専門・技術系から、カスタマー サービスやシッパーまで、多岐に渡ることになります。



その上で、どういう人材をとるべきかを、過去のうまく いった例から分析したことがあり、ある共通点に気付きま した。それはディテールケアができることです。例えば分 析では、膨大な統計の数値を一つ一つまじめに見ていく必 要があります。プログラム・コーディングは、1文字たりと もミスコードを残すことは許されません。グラフィックデ ザインも1ピクセルのラインまで気にする仕事です。ライ ティングも誤字脱字などもってのほかです。シッピングだ って、配送先や梱包物を間違えたら、その注文の利益が吹 っ飛んで、全てが台無しです。要するに細かい人でないと、 うちにある大半の仕事が務まらないことに気付いたのです。

進化させた採用プロセス

あくまでも、うちにとって有効という話ではありますが、 このディテールケアができる人を採用するために、ちょっ とした工夫だけで、採用プロセスが飛躍的に効率アップで きたことがあり、それを少しご紹介します。

我が社の場合、求人のほとんどは英語のネイティブであ ることが必須となるので、募集をする際には、よく米系の 求人媒体に広告を出します。時期にもよるのですが、特に 初めのころなど、すぐに100件以上もの応募者からのメー ルが瞬く間に飛んでくることもざらにあり、それをすべて 読んで選別するだけでも、大変な時間を要していました。

もちろん、優秀な応募者ばかりであれば、うれしい悲鳴 なのですが、むしろその逆で、面接に呼ぶ意味もなさそう な人の方が圧倒的に多いという感じで、選別担当者のスト レスになっていました。

そこで5~6年くらい前から実践するようになったのが、 まず募集広告にいくつかのトラップを仕掛けて、それらを クリアできない人たちをフィルターすることで、採用プロ セスを短縮したのです。

ちなみにトラップといっても、実際には応募者に対して、 簡単な指示を与えるだけです。例えばメールでアプライす る際に、「件名には、ある指定した文字を入れてください」 とか、「必ずカバーレターを付け、そこに××について書い てきてください」とか、履歴書は添付ではなく本文に直接貼 り付けてください、といった感じです。ただこの指示内容 は、あえて結構長めに書いた求人広告の下の方に載せ、毎 回微妙に変えるのもコツです。

求人広告を注意深く、真剣に読んでくれる人は簡単にパ スできるのですが、そこまで注意深く読んでいない、おそ らく給与・待遇・勤務地、仕事内容など、自分に関心のあ る内容だけを把握して自己完結しているような人は、この 初歩的なトラップにも、簡単に引っ掛かります。

いくつかのトラップを仕掛けるだけ

件名トラップだけでも、媒体によって約4割はアウトの ものが来るので、その分、こちらからすれば、読まなけれ ばならないメールも減らせるわけです。

カバーレタートラップは、普段のテンプレート的にアプ ライしているやり方では通用しないようにすることで、応 募者の注意深さと本気度を測るのに使えます。

実際、アプライしたい企業を見つけたら、あとは事前に 用意した完ぺきなカバーレターと履歴書を何も考えず送れ ばいいと思っている人も多く、自動でいろいろ用意される 媒体なら、下手すると8割はこのパターンです。

惰性的にアプライ作業を繰り返している人ほどこの傾 向があり、そういう人は言い換えれば、多くの企業にアプ ライしても採用もされていない上、どこでもいいからアプ ライしている、とも読み取れます。また一度はテンプレー ト的に完ぺきに仕上げたカバーレターでも、自分で編集を 加えることで、多少なりとも文法力や文章力が必要になり、 そこでもその人のライティングスキルが確認できます。

添付ファイルを認めないと、完ぺきにレイアウトして事 前に用意した履歴書をそのまま使えないので、メールの本 文に組み込む過程で、フォーマットなどが崩れることもあ り、初歩的なITのスキルをうかがい知ることができる場合 があります。

人は何かが欲しい時、欲しい度合いに比例したその人の ベストを尽くします。つまり応募作業に掛けてくれる力の 結果から、その人を採用してすぐに期待できる最大のパフ ォーマンスは予測できます。次回に続きます。

アメリカ ロサンゼルス アーティザン・クルーという広告代理店/IT会社の求人・人材募集情報はこちら
求人・人材募集情報]