2015年2月20日金曜日

誇れる仕事をしてますか? ①

(U.S. FrontLine誌 2012年12月5日号 掲載分)

少し前になりますが、久しぶりに日系ITビジネスの質を垣 間見た気がして、げんなりしてしまいました。日系のクラ イアントのオンラインショップ構築の案件で、先方の別の 案件の絡みで関わっている、某日系IT業者の方と話をする機 会があったのです。要はうちがクライアントに提供する予 定のホスティング環境について、他の案件への活用も検討 したいので、ITの素人であるクライアントとそのフォローと して業者さんと三者で話がしたい、ということでした。

ホスティングにも色々あるのです

なお、我が社のオンラインショップサービスにおける、ホ スティングサービスは、本稿(第32回:2010年6月20日 号)でも以前、少しだけ触れたように、信頼性の高いホス ティング会社から専用サーバーをいくつかレンタルしたも のを、共用サーバーとして提供しています。しかし、一般 的な利益を追求するためのサービスとしては提供していな いので、かなり特殊な形態と言えます(利益は別のサービ スで追求しています)。

どういうことかと言うと、第88回(2012年10月20日号) でも少し触れたように、PCIコンプライアンスという世界標 準のセキュリティ基準に準拠するために、ウェブサーバー、 メールサーバー、データベースサーバーをすべて別にした 複数の専用サーバーで運営しているのですが、仮にこのよ うな環境を1社に対して用意すると、ホスティング費用は かなりの額になり、サイトの規模にもよりますが、多くの 場合、費用対効果的に見合わなくなります。

そこで、サーバー1台に対してクライアント数を最小限に 限定し、費用も含めてそれらを共用することで、本来なら 手に入らないような環境を、リーズナブルな価格で提供で きるようにしたものなのです(SEOなどでトラフィックを 増やしてビジネスを成長させてから、1台1社の別に用意 した専用サーバーへ引越していただくことはありますが)。 なお、一般の利益を追求する共用ホスティングでは、でき るだけ1台のサーバーにクライアント(サイト)を詰め込 みます。サーバー1台の運営コストは、クライアントが増 えても変わらないので、できるだけ多くのホスティング料 を獲得するために、数百、数千というサイトを1台のサー バーにホスティングさせることもざらにあります。この場 合、借り手のレンタル料はその分低額になりますが、大量 のサイトが共存している分、トラブルも覚悟しておく必要 があります。

ですから、一般的な共用ホスティングとはスタンスがまる で違うものであることを、まず予備知識として最初に説明 しようとしたのですが、業者の方から「余計な話はしなく ていい。契約書にスペックが記載されていないので、ただ 教えてくれればいい」的なことを言われ、調べて伝えると、 「このCPUの各サイトへの割り当ては?」「メモリの割り当 ては?」などと、聞かれてくることは一見まともなのです が、そのたびに、いちいちネガティブなコメントを残して いかれるのです。

契約書にスペックをあえて書いていないのは、単にクライ アントを割り当てるサーバーは直前に決まる上に、サーバ ーも時間と共に、スペックもより新しく(良く)なるとい うだけのことなのですが、粗悪な環境を提供する悪徳会社 とでも思われているのか、とにかく感じが悪い。

確かに、間違いではないのだが…

例えば共用なので、「同じサーバー内にホストしている他 のサイトの何らかの影響を受け、クライアントサイトのパ フォーマンスに悪影響を及ぼす可能性はありますね」とい った具合です。当然そういう可能性はゼロではないのです が、前述の通り、クライアント数をかなり限定した上での 高スペックの環境だと再度説明しようとしても、「余計な話 はいいです。影響を受ける可能性があるのか、ないのか? 絶対にダウンしないのか?」と極端な論調で来られるので、 とりあえず「世の中に“絶対”などほぼあり得ませんので、 可能性はもちろんゼロではないです」と答えておきました。

専用サーバーでは、費用対効果的に合わないので、皆、共 用で妥協しているわけで、「他にどういうソリューションが あると言うのだろうか」というのが、まずは私の心の声で した。もちろん、共用環境もピンキリなので、違いを具体 的に説明しようとしても、そういう話には興味もない。正 直この時点で、この人が本当にクライアントのために話を しようとしているのか、非常に疑問を持ちました。そして 更に、致命的だと分かることが発覚したのです。次回に続 く‥

2015年2月5日木曜日

オンラインショップは、何が大変なのか?⑦ 顧客対応

(U.S. FrontLine誌 2012年11月20日号 掲載分)

前回、ショップ側のカード詐欺の防衛策について触れまし た。送り先と請求先が違う、普段あまり出ない個数・商品 の組み合わせ・金額の注文、早く届く発送方法を指定、な どどれか2つ以上合致したら要注意かもしれません。

今回は、トラブルになりやすい顧客に対する防衛策の話で す。といっても、うちの現場が経験則から分析し、実践して いる(とたまたま先日聞いた)方法なので、成果に関して保証 はできません(笑)。一種のEメールでの“プロファイリング” のようなものだと考えてください。ただオンラインショップ に限らず、例えば雇用の際の人材の見極め方にも共通すると ころもあるらしく、少し面白いと思ったので、ご紹介します。

こういうEメールのコンタクトを もらうと要注意?

・すべて大文字で書かれている
・フォントカラーを変更している
・背景に画像を差し込んでいる
・Eメールアカウントを夫婦で共有している
・個人メールにシグネチャー(社名や連絡先のセクション)がある
・宗教的なメッセージや祈りの言葉が入っている
・HotmailやAOLアカウントユーザー
こういったメールになっていると、なぜ注意が必要なの か? 尋ねてみたところ、要はオンライン慣れしたユーザ ーであるかどうかの指標になるのだそうです。

オンライン慣れしたユーザーの場合、(我が社の経験則・ 統計によれば)通常はビジネスメールアカウントでなけれ ば、シグネチャーなど使わないのです。

オンライン慣れしていないユーザーの場合、オンラインの ショップをあまり信用もしておらず、オンラインショッピ ングの経験も浅いので、使い方も分からず、すぐにパニッ クになりやすいという傾向があるというのです。

わざわざ変わったフォントやシグネチャーを入れているの であれば、コンピューターを使うことに抵抗感はない人の ようにも思うのですが、私なりに推察すると、コンピュー ターを覚えたての人、ビジネスでのやりとりの機会があま りない人が多く該当するのかもしれません。自分を振り返 ってみると、そういうことを喜んでやっていたのは、最初 のうちだけだったような…。

またビジネス社会に属していない人とでは、どうしても一 般常識でもギャップが生じやすいと思います。皆さんはど うでしょうか? ともかく、そういう指標もある、くらい に留めて頂ければと思います。

うちの商品でもないのに チャージバック?

最近うちのショップで、呆れてしまうケースがありました。 マーチャントアカウント(カード決済代行会社)からチャ ージバック(顧客への返金要求)が入り、調べてみると、確 かに以前、うちで買い物をした人ながら、返金対象となっ ている商品は、うちで取り扱っていないものだったのです。 スタッフが買い物をした人に電話で確認したところ、うち から購入した商品は満足していると褒めつつ、問題の商品 がうちから買ったものでないことも理解していました。こ の時点で「?」なのですが、どうやら購入元ショップと連 絡がつかず、うちへチャージバック要求をしてみたらしい のです(怒)。例え連絡がつかなくとも、購入元からチャー ジバックはできることを伝え、状況をマーチャントアカウ ントにも伝え、返金拒否のクレームを入れたそうです。

ところがその後、マーチャントアカウントは、何とうちの クレームを却下し、再度クレームを入れて、負けると500 ドルの追加手数料が発生すると言ってきたのです。顧客に 返金要求を取り下げてもらってもよいと言われ、相手に電 話で取り下げの約束をもらったのですが、その後も「もう 書類を送った」など何度かやりとりしても、結局は嘘をつ いていたことが分かり、最後には逆切れをされ、「取り下げ を何でする必要があるんだ」と怒鳴り散らしてきたそうで す。期限があるので、相手は時間稼ぎをしていたのかもし れません。結局再クレームを入れ、証拠を再度提出して戦 い、勝ったそうです。相手は証拠として、別の店から購入 した際の郵送ラベルを提出していたとか。

100%うちと関係のないことでしたが、スタッフはこの 件を片付けるのに、のべ2〜3時間を費やすはめになりま した。何ともやりきれません。

景気の良い時期と悪い時期とでは、返品などクレーム対象 になる注文金額のボーダーラインも違ってきているのでは ないでしょうか? 資本主義の過酷さも日に日に増してい る、オンラインビジネスにおいて、とりあえず何か有益な 情報を共有できればと思い、本シリーズを取り上げてみま した。少しでもお役に立てたなら幸いです。