2015年11月2日月曜日

採用のコツ④ 適正給与 Hiring the Right Person, Part 4

(U.S. FrontLine誌 2014年4月5日号 掲載分)

前回は、ある応募者を例に、問題の認識・分析能力や、会社における自分の存在価値とゴールを追求する姿勢についてお話ししました。今回も、面接時での話です。

給与は、実は応募者の言い値でもOK

応募者も採用する側も、給与やベネフィットは大きな関心ごとのはずです。私が面接する際には、「給与はいくらでもいいですよ、いくらほしいですか?」と尋ねることがよくあります。これはトリックでも何でもなく、実はまじめに本音として聞いています。

ただ勿論、補足すると(その人のパフォーマンスにより、人件費を差し引いても、会社に利益が十分にもたらされるのであれば)給与はいくらでもいいです、という意味です。

この質問も、応募者の自覚や労働スタンスを確認する上で、結構有効だと思っていて、勿論皆さん、希望の給与というのはあるものです。経営側も、できることなら、人も羨むような高給をみんなに支給して喜んでもらいたいし、感謝されたいというのが本音です。ただ現実として、それでは収支的に見合わないことが多く、何らかの制限があることの方が多いと思うのです。

例えば応募者が「給与は××くらいほしい」と意思表明してくれれば、次はその金額を算出した根拠を尋ねます。

回答として、業界的な相場だからとか、前職と比較してとか、自分に必要な生活水準からとか、根拠は様々だったりしますが、この質問をしている真の意味は、「あなたは、今、自分がいくらの価値があると考え、会社に対して金銭的にどんな貢献ができると考えているのか?」を聞いているのです。

給与は、どこから来ているのか?

前回の話とも被るのですが、なぜ会社がその人に給与を支払っているのかを、厳しく自問自答できている人ほど、ゴールも明確にもっているし、適正給与をこちらから説明しなくとも、理解されているものです。

仮に希望と開きがあっても、何ができれば、その開きを埋められるのかを真剣に考え、本気で努力しようとする人なら、企業は欲しがるでしょう。少なくとも、自分がどういう結果をもたらしていれば、雇用関係が良好に成立するのかを正しく認識できていれば、世の中的によく聞く、従業員から会社への疑念もかなりクリアに晴れるのではないかと思っています。

このように面接時に「自分がいくらの価値を生めるのか」を尋ねると、たまに応募者の方から、「今まで、こんな考え方をしたことがなかった。新しい視点を得たようだ」と感謝されることがあるので、ITとは直接関係しませんが、こんな考え方もあると、一応ご紹介してみました。

超透明パフォーマンス評価

私は、本来給与とはどういう業種で何年の経験を積んだからいくら、と単純に決まるような話ではなく、目安にはなったとしても、結局はその人によって生み出される利益により決まるべきものだと思っています(これはクライアントに対する対価でも同様だと考えており、本稿でも何度かそういう主旨の話をしてきたつもりです)。

勿論、事務職のような仕事での利益計算は、難しいものがありますが、特にうちの業種のようなITや広告業界などクリエーター系の職種では、常に何かを創造している仕事なので、収支はかなり明確に計算できます。

実際に我が社の場合、案件全体の金額と、担当者毎のタスクが、その内のいくら相当の仕事になるのか、また会社の経費的なこともかなり具体的に提示しているので、各タスクを担当する人が、どれくらいの時間を費やすかで、自身の人件費分を単純に差し引けば、貢献した純利益が、鮮 明に認識できるようにしています。

このアプローチは、勿論パフォーマンスが良い人には好評ですが、悪い人には、ただ後ろめたさを感じるつらい職場になります。しかし、私は技術職であれば、それでいいと思っています。本人が一念発起してスキルアップしてくれることを期待しているのですが、仮にもっと気楽な職場を求めたければ、他をあたってもらった方が、お互いのためだからです。

ちなみにこの考え方は、私が昔日本でIT会社に勤めていた頃に確立したものです。中小企業でしか成立しない話だとは思いますが、経費をクリアにしてもらい、自分が納めた案件の純利益の10%を年俸以外にボーナスとしてよこせと交渉し、実際に社長より給与をとるまでになり、資金を貯めて今の会社を起業できたのです。

そして今は、自分のような人が現れるのを、心待ちにしています。実は昨年雇った一人が、実力で給与を勝ち取る自信と精神をもち、自分と同じ匂いを感じるので、密かにわくわくしています。

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