2015年9月1日火曜日

こんなアウトソースはあり?なし? [Is it ok to outsource your job?]

(U.S. FrontLine誌 2013年6月20日号 掲載分)

今年の初めくらいに話題になった話です。本稿で触れるタ イミングを逸していたのですが、まあ軽い話題として一つ。

あるアメリカの会社に勤めるソフトウェア開発者で、“ボ ブ”という40代の男性の話です。彼はその会社の人事部か らのパフォーマンス評価では、オフィス内で最高の開発者 と絶賛されていて、6桁の給与を貰っていたそうです。

事件の発覚

会社の使用しているプライベートネットワーク回線に、中 国から何者かがログオンしているとして、会社の技術部門 を管轄するベライゾンより調査が始まりました。その侵入 者が会社から渡されているログオン情報を使用しているこ とまでは分かっていました。そして調査を進めていったと ころ、侵入したプログラマーを突き止めたのですが、それ があのボブであり、なぜかちょうどその時、デスクに座っ ていたのでした。

ボブのコンピュータを調べていくと、彼がログオン資格情報を 外部の会社へ送った証拠が出てきた上、沈?(中国)のサード パーティの開発者からの何百もの請求書が発見されたのです。 同時に彼の毎日のウェブ閲覧履歴も確認すると、午前中は ほぼ、ネット上に投稿されたネコのビデオの閲覧やReddit (人気のユーザー投稿サイト)をサーフィンしていたことが 分かりました。

午後はeBayで買い物をしたり、Facebookで遊んだりし て、17時前には帰社するというような生活だったそうです。 要は一日中ネットで遊んでいたわけです。

そして彼はこのような行為を複数の会社に対して行ってい たことが分かっており、(フリーランスとしても仕事を請け ていたのでしょうか)、年俸数十万ドルを稼ぐ一方で、中国 のコンサルティングファームへは下請け料として、総額わ ずか約5万ドルを支払っていたそうです。この事実が発覚 して、彼はクビになりました。

具体的な話はここまでだが…

要はこの話、個人が会社から支給される自分の給与を使っ て、下請けとして中国の業者を雇い、「自分の仕事」を外注 先にやらせて納品していた、ということですね!

パフォーマンス評価は賞賛されていたくらいですから、お そらく納品された成果物も良い出来だったのではないでし ょうか。

もしそうだとしたら、彼は品質管理をとてもうまく行って いたのか、あるいは優良な業者をきっちりと見極めて発注 していたのか、ともかく世の中の大半のIT業者が、安さにつ られて中国・インド辺りにアウトソースして、かなり痛い システムを納品してしまっているような現状からすれば、 今のアメリカのビジネスモデルを、一個人がとてもうまく 実践していたといえます。

個人的見解

記事では彼に対して一応「詐欺」というような批判的な書 き方でしたが、ビジネスとして成立する成果物をタイムリ ーかつコンスタントに納品できていたのであれば、むしろ 評価してあげたいくらいです。

ただ業界的には機密保持契約などは、おそらく確実に要求 されていたと思われ、その部分で抵触していれば、もちろ ん完全にアウトです。私的に引っ掛かるとすれば、その一 点くらいですけどね。

うちの新人スタッフによく言って聞かせていることです が、仕事は結果がすべてで、システムもウェブも、正しく 期待されたように機能させることができて、初めて仕事は 成立します。その間に例えどれだけ睡眠を削り、身を粉に 働いたとしても、クライアントには全く関係のない話だし、 会社的にも良い結果さえ出してくれるのであれば、昼寝を していようが、デスクにほとんどいなかろうが、正直何の 問題もないわけです。

アウトソース成功の条件

日系・米系問わず、一般的にIT業者、広告代理店などほと んどはアウトソースをしているという印象ですが、その仕 事結果も散々なものであるケースが多々あると、本稿で何 度も触れてきました。ですがこのボブのように、うまく仕 事をこなせていたケースももちろん存在するわけです。 この差は何から生まれると思いますか? これも持論にな ってしまいますが、「自社内でも上手くできることをあえて 外注している」のと、「自社内ではできないことを外注して いる」の違いだと思っています。

自社内で相応のスキルがあれば、「目指すべき正解」も理 解しているので、仮に外注先の仕事の出来が悪かったとし ても、それを指摘・修正させ、クオリティコントロールを することは可能です。一方単なるブローカー的なビジネス をしている業者の場合、自社の知識・スキルレベルから 「正解・不正解」も判別できないため、運任せという感じに なるのでしょう。

[もっと詳しく弊社のカスタム・システム開発ポリシーとアウトソースについて知りたい方はこちらも参照ください: カスタム・システム開発ポリシー]

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