2014年7月24日木曜日

衝撃のサービスを発見!でも何のためのもの?②

(U.S. FrontLine誌 2012年7月5日号 掲載分)
前回、FacebookやTwitterで、Likeやフォロワー(ファンや支持者たち)を獲得できていなければ、ビジネス的にはあまり価値がなく、少なくとも1万人以上の実在するファンが欲しいところではあるが、皆それを獲得するのに苦戦しているとお話しました。そして偶然見つけた、Twitterの大量のダミ ーアカウントを売買している業者の存在について触れました。
試しに、検索エンジンで「buy facebook likes」とか、「buy twitter followers」などのキーワードで検索してみてください。すると、5000 likes for $153とか、10,000 likes for $277とか、FacebookのLikeやTwitterのフォロワーをお金で販売している業者が、わんさかと出てきます!しかも普通にPPC(キーワード広告)を買って、普通のサービ スであるかのようにビジネスをしているのです(笑)。
勿論、それらが実在するユーザーアカウントで、企業が提供するサービスに興味を示してくれる人たちであれば、全然構わないと思います。それならビジネス用に誰でも欲しくなるでしょう。精度の高い、メーリングリストをお金で入手しているようなものですから。
ただ現実はまったく違うようで、“Pure fun”とか“Realfun”といった、あたかも実在する人のような表現で売りには出されていますが、実際にはダミーアカウントをせっせ と作成した、個人や業者からそれらのアカウントを安値で買い取り、転売しているだけのようです。
つまり、こういった業者から、Likeやフォロワーを購入すれば、表面上の自社のファン数やフォロワー数は確実に増やせます。しかし、中身は実在しない人のフェイクアカウ ントでしかないので、そこから口コミが発生してトラフィックが増えるとか、注文が増えるとか、本来期待しているような効果は、何も得られないでしょう。

では、何故こんなサービスが存在するのか?

例えば企業向けにFacebook管理サービスを提供している“なんちゃって業者”が、クライアントページのファン数をこの手法で無理やり増やせば、一応体裁は保てます。もしくは実践能力のない業者が、自社サービスの営業用に、架空の実績として使えるといった感じでしょうか。
あるいは客がほとんどいないレストランに、初めて入るには勇気がいるのと同じで、ファンのいないファンページよりは、サクラでいいから、既に人気があると思わせた方が、本当のファンが獲得し易いと考える企業もいるかもしれません。
ただ完全な素人なら騙されてしまうこともあると思いますが、こういったダミーアカウントは、実は結構簡単に見破ることはできますので、それを暴かれた日には、その企業も完全に信用を失うので、くれぐれもこんな浅はかなことを考えないようにしてほしいものです。

共和党の大統領立候補者フォロワー82%がフェイクだった

1年くらい前ですが、共和党の大統領候補者選びに立候補していたニュート・ギングリッチ氏が、Twitterで130万人のフォロワーを持っていると自慢していたのですが、 PeekYouというデータベースで調べたところ、その実態は、大半がダミーか無効アカウントで、購入されたフォロワーがほとんどだったと暴露されたことがありました。
ちなみにこれを暴いた会社は、一般の企業に対して、彼らのフォロワーにどんな属性があるのかという分析サービスを提供する会社で、普段なら、「男性がxx%で‥」といった結果が出て、マーケティング戦略を検討するという感じになるのですが、後で分かったのが、実にフォロワーの92%がフェイクアカウントだったという実態でした。

嘘は簡単に見破られるが‥

なおこれだけ警告しても、SEO(検索エンジンで上位表示させる手法)の時と同じく、これを読んだ日系の“なんちゃって” 業者あたりが、すぐにフェイクアカウントを購 入して、架空の実績で営業に回る姿が目に浮かびます。しかし、そういう輩に騙される人を減らすために本稿を書いていますので、皆さんくれぐれもご注意ください。相手の話が本当であるかは、結構簡単に確認できますので、何かあればお気軽にお問い合わせください。
ところで以前ちらっとお話したことのある、自社運営しているレッグウェア専門のオンラインショップのFacebookページには、今、4万人近くのファンがいますが、勿論これは全て実在する人たちですよ。念のため(笑)。商材的に難しくない上、我が社でも、以前より企業向けのFacebook管理サービスを提供しているくらいで、むしろこれくらいはできて当たり前なのです。ただ、片手間でほとんどコストを掛けず達成できているのは、同業の米系でも真似できるところは少ないと思っています。

2014年7月7日月曜日

今衝撃のサービスを発見!でも何のためのもの?①

(U.S. FrontLine誌 2012年6月20日号 掲載分)
近年、アメリカのウェブマーケティングの世界において、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が、非常に大きな影響力をもつようになってきたことについて、 本稿で何度か触れました。
特に先日IPO(新規株式公開)したばかりのFacebookは、断トツのトラフィックを誇っており、Googleと肩を並べるほどにまで成長しました。ただ媒体としてユーザーベースができていることは間違いないのですが、それをビジネスにうまく効果的に活用するのは、そう甘いものでもありません。

皆、正解がわからず苦戦

それは丁度、膨大なユーザー数を誇る検索エンジンをビジ ネスに活用するために、ユーザーがキーワードで検索した結果、できるだけ自社のウェブサイトを上位表示させることで、露出機会やトラフィックを得ようとする、SEM(検 索エンジンマーケティング)の世界と似ています。
SEO(ウェブサイト自体の構造や環境から、検索エンジン向けに最適化する)や、PPC(キーワードに連動した、クリック課金型の広告を出稿する)といったメジャーな手 法が存在することはよく知られていても、それをうまく実践できている企業は、ほんの一握りしかいません。「何でもできます」と“プロ”を装っているだけの業者なら、たくさんいますが。
Facebookでは、企業や個人がページを持つだけなら、極論、5分もあれば誰でもできます。ただそのページのファンになってくれる(Likeしてくれる)人を募れなければ、結局のところ、ビジネスとしての存在意義はほとんどありません。Twitterにしても、フォロワー(その人や企業に関心をもち、つぶやきを常にキャッチしようとする人)がいなければ、ただの独り言にしかなりません。
今なら、実際にFacebookでページを持っている企業も多いかと思いますが、ファン数にして5000人もいれば、大健闘といった感じではないでしょうか? 数千、あるいは数百人しかファンを獲得できていないのも、ざらでしょう。ただ、それでどうですか? 何か良いことは起きましたか?個人的な感覚ですが、例えるなら5000人のファンがいるページは、検索結果で50位以下に表示されているサイトのようなものです。数千人のファンなら、80〜90位くらい?、数百人なら200位以下?
まあ本当は30位以下なら、トラフィックはほとんどないので、何位であっても関係はないのですが(笑)。
私は以前、少なくとも1万人以上のファンがいなければ、ビジネスに何らかのインパクトを与えることはあまりないだろうと、本稿で書きましたが、今回、実は少し表現を改める必要が出てきました。

少なくとも1万人程度の実在する本当のファンが必要

前の表現との違いは、「実在する本当の」という部分です。ある衝撃のサービスを提供している業者たちの存在を、たまたま知ったことで、このように表現を改めた上で、注意を促さなければならないと、考えました。
ウェブマーケティングのエキスパートであるパートナーのレイアが、偶然発見して教えてくれた話なのですが、オンラインで常日頃からアンテナを張っている彼女がバングラデッシュについて書かれたニュース記事に興味を持ち、経済事情やビジネスについて調べていたそうです。
色んなサイトを見ているうちに、ある掲示板で「以前、Twitterアカウントを1個xxセントで買った。それ以上の見積もりならいらない」という、一見、よく意味が分からない書き込みを見たそうです。さらにその人は、「クライアントに5000人のフォロワーの獲得を約束した。でたらめのアカウントで全然構わないから、買いたい」と書いていたそうです。
その他にも、「自分はxxドルで以前売った」とか、「より本物に見えるアカウントあります」みたいな書き込みを見て、「ははぁーん。なるほど。スキルのない広告代理店かウェブ制作会社が、素人のクライアントをうまく引っ掛けて、できもしない約束を、こういった手口で体裁だけ取り繕っているわけね」と気づいたそうです。
彼女曰く、元々バングラデッシュについての記事は、そういった類の話ではなく、最近高い評価を受けているものがあるというもので、まさかそんな話題に遭遇するとは想像もしていなかったとか。
それにしても、普通のビジネスの様に会話が成立していることや、その格安さも実に衝撃的です。次回に続きます。