2014年6月27日金曜日

今アメリカで人気急上昇中のPinterestとは? ②

(U.S. FrontLine誌 2012年6月5日号 掲載分)
前回、アメリカのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)において、トラフィック的にFacebook、Twitterに次いで3位になった、画像共有SNSかつ、SBM(ソーシャルブックマーク)のPinterestについて、触れました。
このPinterest、2年前の開設時には無名だったのが、独立したサイトとしては(元からユーザーベースがあったサイトを除けば)、アメリカ史上、最速で月間1000万のユニークビジター数を突破するなど、驚異的な伸び率なのです。
また特徴として、ユーザー層の8割は女性であり、メインコンテンツのPin(投稿)された画像の80%は、他の人のボードでそれを見て気に入った人が、自分のボードにRepin(共有)したことで生まれたもので、TwitterのコンテンツにおけるRetweet(他人の呟きの共有)の割合比1.4%とは違い、Pinterestは、口コミにより生じたコンテンツでほとんど構成されていることを、前回お話しました。

Pinterestのビジネスモデルの謎

確かに勢いはあり、トラフィックは確実に増えているサイトなのですが、ビジネスモデルに関しては、まだ不透明です。消費者は広告と分かると、敬遠するか無視しがちになるのに、Pinterestにはたくさんの商品写真が投稿されている中、それをウィンドウショッピングでも楽しんでいるかのように、中毒的に見ることにハマッている大勢の女性がおり、そういう世界観を築けたことこそ天才的で、企業もこれをビジネスに活用しない手はないことを前回書きましたが、今のところ広告を表示させる仕組みはありません。招待制ですが、アカウントも無料で作成できます。。
では、何で収益を上げているのか? それこそYoutubeがそうであったように、毎月莫大な赤字を出し続けても、ひたすらトラフィックだけを増大させ、Googleのような大金持ち企業から、破格の金額で買収されるのを夢見て待つ、というビジネスモデルなのかもしれません(こういうの、正しくは何と呼ばれているのか私は知りませんが、玉の輿モデル?? でも売った後に、即バイバイするのであれば少し違いますよね笑)。

「If you're not paying for it,you're the product」

世の中の無料サービスについてよく言われていることですが、「もしもあなたが無料で何かを得ていれば、それはあなた自身が商品になっている」という意味で、このサイトも例外ではないようです。大きな投資または買収額を獲得するまでと、その後では、モデルが違っていても不思議はないのですが、とりあえず最初の段階として、彼らにはアフィリエイト収益があるようです。
アフィリエイトとは、たとえばオンラインショップや会員制サービスを販売している企業(アフィリエイト・プログラムの提供元で、以下提供元と記載)が、彼らの集客のために、広告を代わりに出稿してくれる、アフィリエイターと呼ばれる企業や個人を募り、ユーザーがその広告(リンク)をクリックして、その先にあるサイトへ誘導され、最終的に買い物や会員登録をすると、提供元からアフィリエイターへ、成功報酬として売上の何%かが支払われる、というものです。
アフィリエイト・プログラムのある製品へのリンクがあれば、アフィリエイターとなるためのコードを自動で追加する、Skimlinksという第三者のサービスがあり、Pinterestはこれを利用して、ユーザーが投稿した際に自動で調べ、リンクを勝手に修正しているそうです。つまり、ユーザーがPinterest上の写真をクリックして、その先のオンラインショップへ誘導され、商品を購入すると、Pinterestに成果報酬が入るわけです。ただ実際にこの仕組みで得ている収益は、まだ大したものではない、という話もあります。
なおリンクの自動修正については、公表はされていません。ユーザーが独自のアフィリエイト用コードを含めて投稿した場合、Pinterestはコードの変更をしないという話もあります(事実は未確認。将来どうなるかも不明)。
今後、Pinterestに積極的に商品画像を投稿する企業は増えるでしょう。彼らからのアフィリエイト収入や、大手ショップとの提携というシナリオは考えられます。
また今でも、価格と販売元の表示が可能な「Gift」セクションがあることや、投稿の仕方により価格の帯が表示されることから(ここの意味を筆者に確認)、Pinterest側の思惑も見え隠れしており、将来、商用コンテンツが課金制になる可能性や、他のSNSと同様、広告収入のビジネスモデルに展開する可能性も伺えます。
ちなみにPinterestのパクリサイト、Pinspireなんてのも既に登場しています。ともかく、Pinterestの注目度は高く、ビジネスに活用するチャンスも、今のところはありそうです。

2014年6月2日月曜日

今アメリカで人気急上昇中のPinterestとは? ①

(U.S. FrontLine誌 2012年5月20日号 掲載分)
Pinterestとは、写真を共有するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)です。今年の4月に発表されたある記事によると、アメリカで3番目にトラフィックのあるSNSになったそうです(ちなみに1位はもちろんFacebookで、2位Twitter、4位Linkedin、5位Tagged、6位Google+の順)。
Pinterestを簡単に説明すると、Web上へ任意のテーマで仮想のボードを用意し、気に入った画像や動画を、ピンでそのボード上にどんどん刺していき、見て楽しんだり、共 有したり、時には他のユーザーの画像にコメントしたりするというものです。インターフェイスがとにかくシンプルで、きれいな画像が並んでいるので、見ていて気持ちがいい、というわかりやすい魅力があります。
自分で画像を集めてボードにピンで刺す(Pin)以外に、他のユーザーのボードにある画像を、自分のボードへピンで刺したり(Repin)、他のユーザーをフォローして、その人がピンで刺したものを、随時チェックしたりもできます。感覚的には、Facebookで言う所の、Post=Pin=投稿、Share=Repin=共有と考えるとわかりやすいかもしれません。 ちなみに名前の由来は、Pin(ピン止め)+ Interest(興味)で、Pinterestということらしいです。
既存のサービスでFlickrなどの写真共有サイトと大きく違うのは、自分で撮影したものだけでなく、ネット上で気に入った画像も、ピンで刺していけることです。
同じく、Tumblr(簡易ブログ)とかぶる部分もあるのですが、Tumblrはあくまでも投稿者主体で、閲覧者は単なるブログの読者という感じになり、閲覧者側からすると、た くさんの面白い画像と簡単に出会える、とは言い難いものでした。一方のPinterestは、閲覧者側が色んな画像を閲覧する行為がとても楽にでき、見る側に比重を置いたサイトといえるかもしれません。
なお他の人との交流を楽しむというよりは、自分が見て気持ちいいものを集める、という使い方が主体になっていることから、厳密にはSNSというより、SBM(ソーシャル・ブックマーク)という色合いが強いと思います。

マーケッターから見たPinterest

まずユーザー層として、女性が8割というのが興味深い特徴です。女性をターゲティングしたいビジネスなら、一考の価値はあると思います。
今年3月におけるアクセス数は、Facebook: 70億に対して、2位Twitter: 1億8200万、3位Pinterest: 1億400万と、Facebookに比べ、2位以下はトラフィック的には、格段に 劣っているのは確かです。ただ、Pinterestのメインコンテンツは画像、スクロールしても画像に画像…と、とにかく画像で埋め尽くされています。ここが天才的だと思っているのですが、その中には商品写真もたくさんあります。
それらをウィンドウショッピングでも楽しんでいるかのように、中毒的に見ることにハマッている、大量の女性がいるわけです。これって凄くないですか?
企業にとってもこれほどおいしい媒体は、なかなか存在しません。仮に広告をバンバン出しても、消費者は広告とわかると、敬遠するか、無視しがちになります。ところがこのサイトでは、堂々と商品写真を掲載でき、消費者もそれを楽しんで見てくれるという、画期的な世界を作り上げてくれています(なお今のところ、Pinterestに広告表示の仕組みはありません)。

コンテンツの8割は口コミにより生じたもの

ここに面白い統計があります。Pinterest上のメインコンテンツであるPin(投稿)の80%は、Repin(共有)されて生まれたものであるのに対し、Twitterでは、僅か1.4%だけが、Retweetにより生じたコンテンツである、というものです。FacebookのPostの内、Shareにより生じたコンテンツの割合の統計も、以前どこかで見たのですが、すみません、忘れてしまいました。ただ記憶では相当低かった覚えがあります。
そもそもFacebookやTwitterは、個人でも企業でも、基本的に「ねぇねぇ、みんな聞いてよ!」というスタンスで、画像やコメント、リンクなどを投稿するもので、必然的にコンテンツの中心は、投稿者主体の内容になります。なので、それを受け取る側も、それをわざわざ人に伝達したくなることがそこまで多くないことは、容易に想像できます。また例えばFacebookで何かをShareするということは、容易にその人の趣味・趣向、知性・感性、思想・人間性を表してしまうことにもなるため、気軽にはできないと感じている人も、少なからずいると思います。
一方Pinterestの場合、何かの画像をRepinすることで、そこまで人間を判断される心配もなく、気楽に「あっこれ好きかも」くらいの感覚で共有できるため、他に比べて口コミにより生まれたコンテンツの割合比が高くても、不思議はないと思います。