2014年5月25日日曜日

中小企業が生き残るには㉔最後に

(U.S. FrontLine誌 2012年5月5日号 掲載分)
本テーマの後半に出てきた、「信頼性・知名度」「印象」などは、実は一言で言えば、「ブランディング」についてのお話でした。多くの読者の方も、この用語を耳にされたことがあると思います。ただ、こういう用語を得意げに使う“広告代理店”ですら、私からすると、何か上辺だけで実践ノウハウが薄っぺらい、と感じることは多々あります。
我が社へお問い合わせをいただく潜在顧客の方でも、「ブランディングって、わかりますか?」と尋ねると、5割くらいの方は「わかる」と答えられるのですが、特に日本からの方ほど、よくよく突っ込んで聞いてみると、意味は何となくわかっていても、やり方としては、単にSEO(検索結果で上位表示させる手法)をやっておけば、できているつもりになっている、といったケースによく遭遇します。

結局ブランディングって何をすることなのか?

私なりの表現で言うと、ブランドの露出を増やし、意図したイメージで浸透(洗脳)させることです。この2つのステップをきっちり成功させられなければ、ブランド力を強化することなど、到底できません。
露出の方法も、今の時代は多種多様にあり、SEO、PPC(キーワード広告)は言うまでもありませんが、SNS(Facebookに代表されるオンラインコミュニティ)とバイラル(口コミ)キャンペーンを併用していくのが、おそらく今後しばらくの主流になっていくだろう、というのが私の読みです。そして、もしもあなたがビジネスに携わる人 ならば、レベルはともかく、この「ブランディング」を避けては通れないというのが、私からのメッセージです。

このテーマを書いてきた理由

さて昨年後半より、「中小企業が生き残るには」というテーマで書き続けてきましたが、そもそもこれについて書こうと思ったのには、主に2つの理由がありました。
1つは、我が社の運営するオンラインショップや、クライアントが実際に直面している、各業界の極端な資本主義による大手の市場専有化です。我が社の場合、特にオンラインにおいては、リアルタイムで最上層での戦いを強いられることが多いのですが、単純に周りの景色が昔とは大きく変わりました。相手にしなければならない競合のほとんどが、大手で占められており、その脅威をいち早く肌で感じたからこそ、資本力では到底敵わない大手に、中小がどう対抗できるかという問題に、我が社は常に必死かつ本気で取り組んでいるのです。
もう1つは、私は結局のところ、企業の存在理由は「雇用の創出」だと考えており、それに貢献している企業は応援する価値があると感じています。微力ながら自分も役に立ちたいと思っていること、そして実は、これこそ私の生涯のテーマであり、起業した理由でもあるのです。
正直、以前なら「ダメな会社は、むしろ淘汰されてしまえば良い」、くらいに考えていました。そして今でも、我々の業界に未だ多く見られる、モラルを欠いた、確信犯的な悪徳業者の存在を肯定することはできません。
ただここ数年の高い失業率や、街のあちこちにあるLeaseサインを見ていて、これでは本当に食べていけない人が出てしまうと考えるようにもなりました。そしてそれこそ私 のお気に入りだったレストランが、何軒も潰れています。つまり“ダメな会社”にもいろいろあることに気づきました。努力・本気さ・誠実さに欠けているのなら、何の同情も感じませんが、単にビジネスが下手なだけか、あるいは、たまたま大衆受けしないだけかもしれないのです。
ですから、近所の(私からすると)誰が欲しがるのか見当も付かない、意味不明な小物をやたらと高く売るお店も、(私からすると)全然おいしくなくて、2度とないなと感じたレストランも、皆、生きていくためには、存続できているに越したことはなく、細々とでもやっていけている方が、社会としては健全だと思うようになりました。
勿論、誠実な企業ほど、より成功してほしいと願っています、しかし現実社会は、マーケティングのうまい会社が成功しているだけで、良い会社だから必ず生き残れるという保証はありません。今後さらに露骨に進むであろう、資本主義の荒波も、それを物語っています。
本テーマは随分と長くなってしまい、かつうまく整理して書けていたわけではないのでお恥ずかしいのですが、もし何か少しでも気になることがあれば、是非最初から通して読み直してみてください。そして何らかのヒントにしていただけるなら幸いです。
(過去掲載分は、こちらからhttp://www.usfl.com/ee/

2014年5月9日金曜日

中小企業が生き残るには㉓印象3

(U.S. FrontLine誌 2012年4月20日号 掲載分)
商用ウェブサイトは、おおまかに販売サイトと情報サイトに分けることができます。ここで私の言う販売サイトとは、オンライン上で商品・サービスが購入できる、オンラインショップのことです。広義ではEC(Electronic Commerceの略で電子商取引)サイトという言い方になりますが、それとおよそ同じ意味です。
そして、私の持論としては、情報サイトは、さらに情報サイトと販促サイトに分けられます。というか、分けて考えるべきだと思っています。

情報サイトと販促サイトの違い

販促とは販売促進の略で、要するにマーケティングです。違いを簡単に説明すると、情報サイトは、ユーザーから求められそうな情報や企業が公開したい情報(例えば企業情報や、サービス、製品概要など)を、単に整理し、掲載しているサイトです。
また、オンラインでは直接購入できないにしても、一覧による商品写真や詳細情報までを掲載しているようなカタログサイトも、情報サイトの範疇と言えます。
一方、販促サイトは、「より売れるようにすることを意識した」サイトです。ですから、サイト自体に集客力をもたせるSEO(自然な検索結果で上位表示させる手法)や、 PPC(クリック課金型キーワード広告)など、何らかの集客手法を適用させているサイトというのが大前提になります。
さらに、販促サイトの条件は、企業やブランドの良いイメージを印象付けるため、インパクトのあるビジュアルやテキストなどで、積極的にセールスポイントをアピールしていることです。ブランド力を強化してマーケティングしていくのが目的の、ブランディングサイトも販促サイトと言えます。
ちなみにサプリや薬品関係を検索すると、「こんな効果があった」とか、「何やらで証明された画期的な発明」のような、情報だけを掲載した風のサイトをよく目にしますが、通販サイトへのリンクがあれば、これらは間違いなく、ショップが裏で運営する販促サイトです。

カタログとブランディングサイト必要なのは?

「決済機能はいらないけれど、商品情報を掲載したサイトを構築してほしい」という依頼をよくいただくのですが、希望されているものは果たして、カタログサイトなのか?それともブランディングサイトなのか? というところで誤解があるように思います。
依頼主自身、本当はどちらが必要なのか、理解できていないこともしばしばあります。
我が社でも、新人であれば、ほぼ確実に最初は区別できていません。広告もしくはIT業界で、“プロ”と称している業者であっても、かなりの確率で、区別できていないな、と感じることがあります。。
区別できていない人が作成すると、例外なくカタログサイトになります。それがクライアントの依頼であれば、別に問題はないのですが、実際に必要なのは、ブランディングサイトであることの方が、圧倒的に多いのです。
カタログサイトの場合、少なくともまじめに作られていれば、商品情報やスペックがよく整理されたページにはなっているでしょう。ただそれはあくまでも受動的で、ユーザーが見たい情報が見つかるサイトに過ぎません。それでは不十分なのです。

最初の10秒でほとんど決まる

統計的にサイトビジターは、最初の10秒以内にベイルアウト(サイトから出て行く)する確率が非常に高く、30秒くらいまでにかなり急激なカーブを描くことが知られています。これは一般的に、ユーザーが、有益と感じるサイトがほとんどないと思っており、初めて訪れるサイトには特 に懐疑的になっているためです。
もちろん、知名度があり、豊富なファンベースを既に築けているのであれば、話は違ってきます。もともと、その商品やサービスに関心があり、情報を探しているユーザーがいるのであれば、それらのトラフィックがあり、情報を掲載しているだけでも、サイトに何らかの価値は生まれます。
一方、そういうケースではなく、ブランディングサイトに備わっているような集客力や、ブランドや商品に興味を持たせ購買意欲を掻き立てる、一連のマーケティングコンセプトが欠如したカタログサイトの場合、そもそも最初からビジターがないか、あったとしても最初の10秒間で好感をもたせ、30秒以内にもっと読みたいと思わせられなければ、ベイルアウト率が高いだけの通りすがりのサイトになってしまいます。商品画像や説明を掲載するだけで人の購買意欲を促進できると思っているなら、それは妄想だと気付くべきなのです。