今衝撃のサービスを発見!でも何のためのもの?①

(U.S. FrontLine誌 2012年6月20日号 掲載分)
近年、アメリカのウェブマーケティングの世界において、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が、非常に大きな影響力をもつようになってきたことについて、 本稿で何度か触れました。
特に先日IPO(新規株式公開)したばかりのFacebookは、断トツのトラフィックを誇っており、Googleと肩を並べるほどにまで成長しました。ただ媒体としてユーザーベースができていることは間違いないのですが、それをビジネスにうまく効果的に活用するのは、そう甘いものでもありません。

皆、正解がわからず苦戦

それは丁度、膨大なユーザー数を誇る検索エンジンをビジ ネスに活用するために、ユーザーがキーワードで検索した結果、できるだけ自社のウェブサイトを上位表示させることで、露出機会やトラフィックを得ようとする、SEM(検 索エンジンマーケティング)の世界と似ています。
SEO(ウェブサイト自体の構造や環境から、検索エンジン向けに最適化する)や、PPC(キーワードに連動した、クリック課金型の広告を出稿する)といったメジャーな手 法が存在することはよく知られていても、それをうまく実践できている企業は、ほんの一握りしかいません。「何でもできます」と“プロ”を装っているだけの業者なら、たくさんいますが。
Facebookでは、企業や個人がページを持つだけなら、極論、5分もあれば誰でもできます。ただそのページのファンになってくれる(Likeしてくれる)人を募れなければ、結局のところ、ビジネスとしての存在意義はほとんどありません。Twitterにしても、フォロワー(その人や企業に関心をもち、つぶやきを常にキャッチしようとする人)がいなければ、ただの独り言にしかなりません。
今なら、実際にFacebookでページを持っている企業も多いかと思いますが、ファン数にして5000人もいれば、大健闘といった感じではないでしょうか? 数千、あるいは数百人しかファンを獲得できていないのも、ざらでしょう。ただ、それでどうですか? 何か良いことは起きましたか?個人的な感覚ですが、例えるなら5000人のファンがいるページは、検索結果で50位以下に表示されているサイトのようなものです。数千人のファンなら、80〜90位くらい?、数百人なら200位以下?
まあ本当は30位以下なら、トラフィックはほとんどないので、何位であっても関係はないのですが(笑)。
私は以前、少なくとも1万人以上のファンがいなければ、ビジネスに何らかのインパクトを与えることはあまりないだろうと、本稿で書きましたが、今回、実は少し表現を改める必要が出てきました。

少なくとも1万人程度の実在する本当のファンが必要

前の表現との違いは、「実在する本当の」という部分です。ある衝撃のサービスを提供している業者たちの存在を、たまたま知ったことで、このように表現を改めた上で、注意を促さなければならないと、考えました。
ウェブマーケティングのエキスパートであるパートナーのレイアが、偶然発見して教えてくれた話なのですが、オンラインで常日頃からアンテナを張っている彼女がバングラデッシュについて書かれたニュース記事に興味を持ち、経済事情やビジネスについて調べていたそうです。
色んなサイトを見ているうちに、ある掲示板で「以前、Twitterアカウントを1個xxセントで買った。それ以上の見積もりならいらない」という、一見、よく意味が分からない書き込みを見たそうです。さらにその人は、「クライアントに5000人のフォロワーの獲得を約束した。でたらめのアカウントで全然構わないから、買いたい」と書いていたそうです。
その他にも、「自分はxxドルで以前売った」とか、「より本物に見えるアカウントあります」みたいな書き込みを見て、「ははぁーん。なるほど。スキルのない広告代理店かウェブ制作会社が、素人のクライアントをうまく引っ掛けて、できもしない約束を、こういった手口で体裁だけ取り繕っているわけね」と気づいたそうです。
彼女曰く、元々バングラデッシュについての記事は、そういった類の話ではなく、最近高い評価を受けているものがあるというもので、まさかそんな話題に遭遇するとは想像もしていなかったとか。
それにしても、普通のビジネスの様に会話が成立していることや、その格安さも実に衝撃的です。次回に続きます。

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