2014年2月15日土曜日

中小企業が生き残るには⑱ 知名度1

(U.S. FrontLine誌 2012年2月5日号 掲載分)
一般的に、企業は、露出が多く知名度が高いほど、信頼性も高まるものです。以前なら、特に大手は、莫大な費用をかけてテレビや新聞、雑誌などに広告を出していましたが、近年は、よりリーズナブルで費用対効果の高いオンライン媒体に着目するようになりました。SEOやPPCにより検索エンジンで、自社サイトを上位表示させる、SNSや人気サイトへ広告を表示させる、あるいはインターネットTVのCMを積極的に活用するようになってきました。
それら広告活動はすべて、露出を増やし知名度を高めるか、集客を行うための行為といえます。そして、資本力があるほど有利な戦いができるのです。資本力の劣る中小企業に何か良い策はあるのか? それが、本テーマのカギですが、私はその答えの1つが、「バイラル(口コミ)マーケティング」だと考えています。

アイデアで広告費を何分の1に

バイラルマーケティングとは、バイラルネタとなるインパクトのある動画や画像、もしくはサイト自体、または何らかのストーリーや話題をつくり上げ、最初は意図的に露出させ、いずれ口コミによって広まっていくように画策するマーケティング手法です。
仮にそのバイラルネタを見た1人が、周りの3人に伝達してくれれば、1人あたりにかける広告コストを、結果として4分の1に下げられたことになります。
よく、強烈なバイラルネタさえ作れば後は自然に広まってくれるので、ほとんどお金がかからない広告手段だ、と勘違いしている人がいますが、それはほぼ間違いです。
「ほぼ」と書いたのは、どういう期間でどの程度の範囲に拡散させたいというゴール設定や、ネタの質や内容にもよるから、です。数年かけて、ということでもなければ、通常は商用目的のバイラルを起こすには、最初にある程度のシーディング(種まき)が必要で、それには一定の広告費が必要になります。
「バイラルは誰でも簡単に成功させられるか?」といえば、これまた答えはNOです。
そもそも簡単に成功できるマーケティング手法なんて、世の中にほとんど存在しないでしょう。本稿で何度もお話してきたように、誰でも簡単に始められるPPCだって、費用対効果の面で成功させるためには、かなりのノウハウが必要です。
SEOに至っては、集客力のあるキーワードで実質トップ3位以内に入らなければ、トラフィック的に成功を体感できるほどの成果は上がりません。それができる業者は、本当に一握りで、その他大勢の“なんちゃってプロ”がやっていることなどは、気休めにしかなりません。
そのSEOをも遥かに凌ぐ難易度をもつのが、バイラルです。ただ、本当のSEOを実践するには、高い分析力と強烈なクリエイティビティが不可欠という点で、実は通じるものもあり、単に人の真似をしても結果が知れているというのも似ています。
何よりも、オリジナリティとセンスが重要で、SEOを早期から極めてしまった我が社としては、教則本を読んだだけの巷に溢れた“偽SEOマスター”達には本当に辟易しており、彼らが取り繕うのがより困難なこのバイラルは、最近のお気に入りです。
感覚的には、我々アーティストが、クライアントごとにぴったり合う曲を書き分けているようなもので、下手なパクリは売れない上、逆に叩かれる、みたいな感じです。

あくまでも一つのヒントとして

ここ1年程で、ネットで流行っていることがあります。オンラインでピザを注文すると、スペシャルインストラクションという欄があり、普通なら「オニオン抜きで」とか任意のリクエストを書き込むところ、「ピザをペンタグラムに切って」とか、「箱にネコの絵を描いて」などと、ちょっとした遊び心を入れてみたユーザーがいました。お店の従業員がまじめに応え、それを受け取った人が写真をアップしたことから、ネットで広まり、今ではその「遊び」をいろんなところで行うオンラインユーザーが密かに増えているのです。これは一応、ユーザーによる自然発生的なもので、商用的なバイラルではないらしいのですが(真相は不明)。
もし、ユーザーに成りすましたサクラが「無理難題を店員に投げかけてもそれに応えてくれる面白い店があるよ」と広めていく、というアイデアを考え、実践したのだとすれば、それこそバイラルマーケティングです。要するにノールールで、アイデア次第ではどこまでも可能性があり、コストもかなり抑えられるわけです。
余談ですが、この流行のおかげで、実は我が社が運営するオンラインショップでも、「箱にサメやゾウを描いて」のようなリクエストがたまに入るみたいです。うちのスタッフもまた絵心があるのが多い上、そういうノリが好きなので、リクエストが入ると結構うまくマメに描いてあげていたらしく…。私はたまたまこの間、この事実を知ったのですが、経営者的にはちょっぴり複雑でした(笑)。

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