2013年12月5日木曜日

中小企業が生き残るには⑭ 評判3

(U.S. FrontLine誌 2011年12月5日号 掲載分)
前回は、消費者の評判(レビュー)投稿サイト側の、ある 種ヤクザ的ともいえるビジネスモデルについて触れました。 お店やレストランなどのレビューサイトとして有名なYelp.com に対する集団訴訟や、直近6カ月間のレビューの評価格付け しか反映されないレビューサイトを活用する際の、ビジネ スオーナー側のリスク、及びレビューサイト側が提供する 有料サービスの「グレーさ」などをお話ししました。

今後レビューは ますます重要視される

さて、アメリカのオンラインにおいて、やはりGoogleの力 は依然、強力なわけですが、勿論彼らも、レビュー情報の需 要の高さについては意識しています。地域名などが絡んだ検 索をすると、Google Placeというローカルのお店などの情報 を表示してくれる便利なサービスがあるのですが、そこに もユーザーによるレビューや格付け情報が表示されています。

また、商品が絡んだ検索で、ショッピングサイトのリストを 表示させている、Google Shopping(という名前ですが、新 しい動きがあり、その話はまたいつか)というサービス内 でも、やはりユーザーによる格付け情報を表示しています。

ただ近年になって大きく変わったのは、その格付け情報の ソースです。以前は少なくとも、一応Googleが認める、“厳 選されたレビューサイト”からの情報のみを反映させてい ましたが、現在はできるだけ多くのサイトから情報を拾お うとしており、信頼性の乏しいレビューもお構いなく反映 させるようになりました。

Googleは数年前に、Yelpを5.5億ドルで買収しようと試 みて失敗したという過去があるのですが、少なからずそれ が影響しているのではないかと思っています。またショッ ピングサイトなら、Amazonは圧倒的なシェアを誇っていま すが、レビューという仕組みを早くから取り入れており、 その数もずば抜けています。

要するに、Googleは既存のレビューサイトやレビュー情 報が豊富な競合に対抗するため、とりあえず質より量で、 レビューコンテンツ獲得に走った感があります。

ただ今年の9月にGoogleは、Yelpの対抗馬で、レストラン ガイドとして有名なZagatを買収しました。勿論ローカルビ ジネスのレビュー情報の充実化のため、というのは大きな 目的の1つではあると思いますし、別の目論見もくろみがあるとい う憶測も飛び交っているみたいですが、何より私が言いた いのは、今後もレビューという情報の価値が、注目されて いくことの現れである、ということです。

レビューとの付き合いは続く

近年、企業の雇用の場でも、大きな変革がみられています。 SNS(facebookなどに代表される、ソーシャルネットワー キングサービスで、一種のオンラインコミュニティ)で精 力的に活動している人を、ブランドマネージメント(ブラ ンドを企業にとって好ましい状態に総合的に管理する)の 担当として、積極的に採用しているという話があるのです。

オンラインの世界には、オフラインとは違う感性、常識、 文化があることも事実で、そのあたりを熟知した適性を買 って採用し、必要に応じて、自社のブランドや商品・サー ビスに関するネガティブな書き込みの火消しをさせたり、 時には販促活動で活躍してもらったり、というのが主な役 割だと思われます。おそらく本人達も、意外なところでオ ンライン遊びが役に立つ、面白い時代になってきた、と思 っているのではないでしょうか。

我が社の場合、早くからオンラインを主戦場にしていたこと もあり、オンライン大好き人間達の豊富なネットワークをもっ ており、彼らには結構その方面でも活躍してもらっています。 ブランドマネージメントの必要性と本質を理解していれ ば、どれだけ特殊能力が要求され、片手間でできる次元の 仕事ではないことを理解できるはずなのですが、中小企業 ほど、ブランドマネージメントを甘く考えており、社内の 英語ネイティブにでも軽く任せておけばいいだろうといっ たノリをよく見かけます。

SEO(検索エンジンでの上位表示)やPPC(キーワード 広告)の管理を、社内で片手間にやってみるか、安い“な んちゃって専門業者”に依頼して、成果が全くでないと嘆 いているのに似ています。やっていることは地味でアナロ グ的なのですが、知識と経験、センスは勿論のこと、創造 力が不可欠で、何よりやり方がまずいと、企業に致命傷を 与えかねないのも、似ています。

結局のところ、今後しばらく、企業はレビューという文化 と、レビューサイト側のダークな部分も含め、否応なく付 き合っていくしかないのです。

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