2013年8月5日月曜日

中小企業が生き残るには⑥ 誤解

(U.S. FrontLine誌 2011年8月5日号 掲載分)
前回、我が社へSEOサービスの引き合いを多数いただき ながらも、相手のマーケティングに対する意識や考え方に 違和感を覚えるケースも多々あったことをお話ししました。 SEOを通じて本気でマーケティングがしたいのか、それと も単に検索表示ランキングを上げて自己満足に浸りたいの か、見極めようとすればするほど、残念ながら後者のパタ ーンのように感じることが多かったのです。

ウェブ=IT部署の管轄?

ウェブ制作の仕事依頼をいただくと、多くの場合、相手企 業の担当者はIT部署の方になります。確かにウェブ自体は、 ITの知識・技術があってこそ存在するものですが、まだ多く の企業内で誤解があるように思うのですが、一般のシステ ム管理者(シスアド)の方の本来のフィールドでは決して ありません。

一般の人からすると、IT自体がよく分からない難しそうな 世界で、ウェブも一緒くたに映っているのかもしれません が、一口にウェブといっても、実はとても広く、奥が深い 世界です。

例えば、ウェブに必要なHTMLやCSSといったウェブペー ジを構成するためのコードを書けるシスアドの人もいると 思います。また、ウェブサーバーを構築するためのサーバ ーの知識や、画像加工するためのフォトショップ(Adobe 社の画像編集ソフト)の使い方を知っている、という人も いるでしょう。

ただ、それらは例えるなら、「料理教室に通って包丁の正 しい使い方を習った」という程度の話です。よほどの天才 でなければ、それだけで「料理の鉄人」のシェフにはなれ ません。

一握りの勝ち組を競うのが マーケティング

マーケティングの世界は、一握りの勝ち組と、その他ほと んどの負け組で構成されています。特に大きい市場で戦う ほど、その傾向は顕著になってきます。先の例で、「料理の 鉄人にならなくても、地元の定食屋のコックさんでもいい のでは?」と思われたかもしれませんが、特にオンライン での戦いでは、そうもいきません。

定食屋であれば、顧客層も競合相手も、店の近辺のエリア に絞られます。実際にそれで成り立つビジネスであれば別 の話もできるのですが、もう少し広いエリアに戦いを挑も うとすると、オンラインでは競合相手の範囲は一気に広が り、「全国区での戦い」になります。

例えば、ニューヨークの店や企業を視察に訪れた人が、ロ サンゼルスにある同業の店や企業と比較したいと思えば、 ロサンゼルスへ移動しなければならないので、時間も費用 もかかり、気軽には行動できません。従って、ニューヨー ク近辺の他社が主な競合相手になります。一方、オンライ ンの場合、わずか数秒、しかも無料で、「比較のための移動」 が可能です。理論上、ウェブにはロケーションによる縛り がないのです(検索エンジン自体は、あえてロケーション による縛りを設ける逆の試みもしているのですが、今はそ の話は割愛します)。

また、勝ち組は、一握りの本物のプロによるサポートを受 けています。負け組は、世の中の大半を占める“なんちゃ ってプロ”によって作り出されている、とも言えます。

プロ中のプロ同士の戦いで勝ち残るのがマーケティングで あり、以前私は、それを「売りやすくするためのあらゆる 仕組み作り」と表現しました。その基本は競争力です。“な んちゃってプロ”のように、誰でも真似できるようなこと をやっていては、競争力が備わるはずもありません。ウェ ブマーケティングは、世の中に出回っているような知識や ノウハウで、どうにかなる世界では、断じてないのです。

“なんちゃってプロ”ですら、曲がりなりにもその道を専 業に何年もやってきた人たちです。シスアドの方が、片手 間に習得できる知識やスキルは、氷山の一角でしかありま せん。

失敗しやすいパターン

またウェブ制作で、その会社のマーケティングや営業担当 の人が打ち合わせから参加しないケースもあるのですが、 これは間違いです。マーケティング目的でウェブを開設す るのであれば、本来さまざまな議論やコンサルティングが 必要になります。その過程が抜け落ちてしまうと、ゴール 設定も方法論も間違いだらけのプロジェクトになりかねま せん。

ウェブを成功させるのに必要なのは、正しいマーケティン グ戦略と実践ノウハウ・技術です。それらどの分野におい ても、本来IT部署の人は専門外なのです。企業もそれを理解 した上で担当を任せていなければ、最終的に皆、不幸な状 況で終わるでしょう。(次回に続く)

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