2013年7月30日火曜日

中小企業が生き残るには⑤ 理解

(U.S. FrontLine誌 2011年7月20日号 掲載分)
前回、元々は自社のITサービスの宣伝のためにSEOを実践 していたこと、そして必要性からマーケティングを研究す る中、いつしか主軸サービスの一つとして昇華させていっ たことをお話しました。そして当時は、特に業者も企業側 も、SEOを魔法の杖でも見つけたかのようにもてはやす一 方で、結局は、単なる検索ランキング上げサービスとしか とらえていないように感じていました。

表面的なサービスの方が 食いつきはいいのだが

我が社のSEOサービスに対して、それこそ世界中の企業 から、多数の引き合いを頂きましたが、SEOの活用法とし て、「ブランディングや価値のある集客力の拡大にこそフォー カスすべきだ」といくら説いても、「難しいことはいいから、 とにかくこのキーワードで上位表示してほしい」と言われて しまい、マーケティングの本質を理解しようとしない企業担 当者に対し、「何か違うな」と感じることが多々ありました。

ある会社からウェブ制作の依頼を受けて、その会社の売れ 筋商品や特徴、市場シェアなど、少し突っ込んだ質問をし たところ、「ウェブ制作とは直接関係ない」と突き返された こともありました(苦笑)。

また自分達で考えた構想を、言う通りに遂行してくれる、 単なるIT業者を求めているような会社も結構ありました。と にかく上司から指示されたことを間違えなく終えたい、と いう担当者だと、まず例外なくこのパターンでした。

ただそういうケースほど元々の構想自体がお粗末なものも 多く、そのまま進んでもビジネスとして失敗することが目 に見えていました。その上、マーケティング意識もない、 説明しようとしても面倒がられるだけ、さあ困ったどうし よう…、という悩みを結構抱えたものです。

成果の伴わないサービスは、するのもされるのも大嫌いと いう私の性格上、そういう案件はお断りするか、予め「こ のまま進んでも散々な結果にしかなりません」とはっきり 伝え、相手がそれでも望む場合のみ請けていました。

表示順位で一喜一憂している場合ではない

今私がSEOを話題にしているのは、テーマ「中小企業が 生き残るには」を説明する過程での、単なる序章であって、 本題ではありません。正直SEOは、やっていて当たり前、5 年前の時点でも、既にカビの生えた手法でした。また以前、 本稿の第41回でも触れた通り、資本主義的様相が益々強く なってきているため、SEOを主軸においたマーケティング プランでは、特に中小企業にとっては危う過ぎるのです。

ただ、SEOがマーケティング行為であること、そしてそ れも単なる一手法に過ぎないのだと理解していることは、 とても重要なことです。
意図したキーワードの検索結果での表示順位の変動を、と にかく気にする人がいますが、SEOの最終目的は集客のは ずです。つまり表示順位の変動より、集客数の変動を真っ 先に気にすべきなのです。仮に意図したキーワードで上位 に表示されたとしても、集客数に好影響を与えられなけれ ば、キーワードの選定自体が間違っているか、サイトコン テンツに問題があるかのどちらかです。

逆に表示順位を落としても集客数が変わらない、もしくは 増えていれば、少なくともマーケティングとしては成功し ているわけです。何故そのような状況になっているのか、 原因を突き止めておくべきではあるのですが、単に「今、 このキーワードで何位だ」という次元での見方は、ポイン トレスでしかありません。

ゴールは何であるべきか

ちなみに我が社は、英語日本語に関わらず請け負った SEOの案件で、「検索結果トップ5位以内」を実現できなか ったことは、一度もありません。しかしながら、ビジネス の成果としては、必ずしも成功とは言い切れないケースも 幾つかはありました。それは大体が基本のゴール設定が間 違っていたケースだと分析しています。

要するにSEOを通じて、本気でマーケティングをやろう としているのか、単に社内・社外における体裁を保つため に上位表示を達成しようとしているのかでは、結果が大き く違ってくるということなのです。

こういう言い方をすると、「うちの会社はマーケティング がしたいんだ」と言われるのですが、よくよく詰めてみる と、「マーケティングとは何か」を理解できてもいない、も しくは理解しようともしておらず、実は単に自己満足を追 及しているケースに多々遭遇するのです。(次回に続く)

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