2013年7月10日水曜日

中小企業が生き残るには④ 露出

(U.S. FrontLine誌 2011年7月5日号 掲載分)
前回、我が社の設立当初の状況を例に、営業効率を上げる ために、自社の提供するサービスを探し求めている潜在顧 客にいかに効率よくリーチしていくべきかと考え抜いた末、 その方法として検索エンジンに行き着いたことをお話しし ました。

最初は自社のためにSEOを実践

今から9〜10年ぐらい前のことです。当時はシステム屋 として自分達のビジネスを営業するために、SEO(ウェブ サイトを自然な検索結果で上位表示させることで、集客を 図る手法)を研究し、実践していました。

有力なキーワードで上位表示させることができるようにな ると、その威力は絶大なものでした。それまでのように毎 日電話でアポをとり、車で出向いて何社も回るというよう な原始的な営業方法とは効率性が比べ物になりません。何 しろオフィスに座っているだけで我が社のサービスに関心 のある相手から、勝手に問い合わせが入るのですから。

また競争の激しいキーワードで上位3位くらいに入ると、 集客効果だけではなく、ブランドとしての信頼性も自然に 高まることを実感しました。例えば、検索結果で有名な大 手企業のサイトばかりの中で、自社サイトが上位にくると、 我が社も同じ様に信頼のおける企業であるという印象を与 えるようです。実際、「検索で上位に表示される企業は好印 象で信頼性を感じる」という統計結果もあるほどです。

これは正に、設立当初の我が社の課題であった、人間関係 の短さや営業の不得意さをカバーするための「何か」でした。 実際、自分達でも驚くほど有名な企業から問い合わせを受 けたこともありました。最初は日本からの問い合わせが多 かったのですが、ある日、アメリカのBorland社からシステ ム開発案件の問い合わせがきた時は、「ついにうちもここま できたか」と、本当に感動しました。Borlandといっても一般 の人には馴染みがないと思いますが、開発言語系のソフトを 開発している会社で、昔からMicrosoft社と常に競り合って きた、我々の業界では知らない人はいない会社です(おそ らくこの凄さが、皆さんに伝わらないのが残念ですが、いつ か誰かに言いたかったことだったので、私は満足です。笑)。

必要性からマーケティングを研究

さて、最初は自社のシステム開発・ITサービスを宣伝する ために始めたSEOだったのですが、次第にウェブ制作やマー ケティング自体も極めていくことになります。というより、人 間関係や、営業力以外の部分で勝負するために、ウェブマー ケティングを極める必要がありました。そして企業マーケテ ィングにおいて、その効果を自ら体験し、価値も充分理解し ていたので、このノウハウを他にも活かすべきではないかと 考えるようになり、現在のように、ウェブマーケティングサー ビスという1つのメイン事業に昇華させていったのでした。

また当時、SEOは、アメリカ(英語圏)では既にやって いて当たり前の世界でしたが、日本ではその存在自体があ まり知られておらず、日本語のSEOが恐ろしいほど簡単で あることにとても驚いたものです(実は今でも似たような 感覚ですが…)。

我が社からすれば、ごく当たり前のことをしているつもり でも、日本では羨望の眼差しで見られることも多く、当時 は我が社を知らないところはなかったといえるくらいでし た。実際、日本市場向けに開設した我が社のサイトを、 SEOのお手本として研究しようとする業者や個人が後を絶 ちませんでした。事業提携のオファーを頂いたところもい くつかありました。

意識すべきゴールの違いに困惑

とはいえ、当時数少なかった同業のライバル社も、今では 上場するなど、大きく成長しているところも結構あり、我 が社もそのタイミングで日本に支社でも構えていたら…、 と思うことは正直あります。ただ、同業も含め、企業側の マーケティングに対する認識の甘さと、我が社との考え方 との違いには、いつも悩まされていました。

簡単に言えば、我が社は身をもってマーケティングの必要 性を痛感していたこともあり、SEOもマーケティングの一 環という位置づけで、サービスを提供しようとしていたの ですが、業者も企業も、魔法の杖でも見つけたかのように SEOをもてはやす一方で、結局は、単なる検索ランキング 上げサービスとしか捉えていないように感じました。

そういった表面的なサービスに徹した方が、顧客の食いつ きがよかったのも事実ですが、我が社はなかなか割り切る ことができませんでした。次回に続く。

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