2011年10月18日火曜日

知らないってのは恐ろしい ホスティングの話③

前回、ホスティング(ウェブサーバーのレンタルサービス)を選ぶ際に、許容データ転送量には特に気をつけるべきだとお話ししました。「データ転送量無制限」を売り文句にしている業者ほど、かえって十分な回線が用意されておらず、サイトが頻繁にダウンしたり、アクセスが遅くなるなど、粗悪なホスティング環境であることが多いのです。今回も引き続き、ホスティング選びのポイントをお話しします。

奥が深いホスティング

ホスティングは、本来ならとてもシビアで高い技術力を要するサービスです。なぜなら、ウェブサーバーもメールサーバーも、24時間365日安定稼動が、極めて当たり前に要求されるからです。アクセスが大量に集中したからといって、サーバーも回線も簡単にダウンさせるわけにはいきません。実際、信頼のおけるホスティング業者であれば、回線やサーバー状況に関して24時間の監視体制を必ず取っていますし、バックアップ回線などを完備しています。

また、アクセスが集中した際には、負荷を分散するためのロードバランシングといった高度な技術も必要になります。停電への対策としては、無停電装置やバックアップ電源なども必要です。セキュリティについては、ファイヤウォールはもちろん、OS(基本ソフト)やアプリケーションソフトのセキュリティパッチの適用なども常に万全である必要があります。こうした環境を当然のように完備していることが「最低条件」とされる業界であることを、まず覚えておいてください。

次に、ホスティングサービスがどのように提供されるかについてお話ししますが、その前に、専用サーバーについて簡単に説明します。専用サーバーにはDedicated(ホスティング業者からサーバー環境を含め一式丸ごとレンタルする)とCollocation(スペースと回線のみレンタルして自前でサーバー環境を用意する)の2つのタイプがあります。

前者は、スペース代+回線使用料+サーバーなど機器のレンタル料が必要なので、かなり料金は高くなります。後者はスペース代+回線使用料のみなので、その分安いのですが、自分で用意するサーバーなど機器のスペック次第では逆に高くつくでしょう。もちろん安くもできるのですが、そうすると「安かろう悪かろう」の環境になり、わざわざ専用サーバーを用意する意味を失いかねません。

本当は誰がホスティングしているのか?

ホスティングサービスの形態を分類すると、表のように5つに分かれるでしょう。少しややこしいので補足しますが、私が「ホスティング業者」と「IT業者」を別物と考えていることに注意してください。前者はホスティングを専業にした企業で、後者はホスティングを付加サービスとして提供する企業です。そしてもうお気づきかと思いますが、ホスティングサービスにおいてIT業者は、ホスティング業者からサービス環境を間借りして、クライアントにサービスを提供しているに過ぎません。

表の①以外は、ホスティング業者からの何らかの協力を得たIT業者によるホスティングサービスとなります。
稀にIT業者自身が①の形態でやっていることがありますが、その場合、前述した「最低条件」をクリアしているとは到底思えないので、商用サイトのホスティング先としては、一番避けるべきだと思います。

また、①のホスティング業者のみによるサービス形態があるのに、なぜ②以降のようにIT業者を通じてホスティングサービスを受ける必要があるのかと疑問に思われるかもしれません。IT業者が間に入れば、当然その分マージンが乗せられるので、ホスティング業者から直接サービスを受けるよりも料金は高くなります。それでもあえて①以外を選択する理由はなんだと思いますか? その答えは次回で。