2011年5月18日水曜日

知っていても損しないスパムフィルタの話

前回、受け取ったスパムメール上にある配信中止依頼は不用意に行わない方が良いこと、そして、スパムメールを減らす方法として、地道にメールソフトに登録したり、ISP(インターネットサービスプロバイダ)へ報告したりすることに触れました。

実はスパムを減らす方法には他に、スパムメールが自社のメールサーバーに届く前にフィルタしてしまうというものがあります。要は、そうしたスパムフィルタサービスを提供する業者のサーバーを経由させ、ある程度スパムメールを除外したメール群のみが自社のメールサーバーへ届くようにするわけです。

ディッシュウォッシャーの不条理と同じ?

こうしたスパムフィルタサービスはいくつか存在しており、実は我が社も、自社で活用すると共に、代理店としてクライアントへ提供しています。スパムメールを判別する技術は各社でそれぞれ異なるようですが、もちろん、どこも完璧ではありません。つまり、スパムではない正式なメールが間違ってフィルタに引っかかることがあるのです。

たとえその頻度は低いとしても、重要な仕事のメールが間違ってスパム扱いされたら大変です。そのため、スパムフィルタに引っかかったメールの一覧を、結局一度は確認しなければならないという、何だか矛盾した作業が発生します。

これは例えるなら、アメリカに来て初めてディッシュウォッシャーを見て感動したのもつかの間、「一度手で洗わないと汚れはきれいに落ちないので、しっかり洗ってから食器を中に入れてね」と説明され、「何じゃそりゃ?!」と腑に落ちない思いをした時に似ていますね(笑)。

また前々回触れたように、日本のメールサーバーの設定は、セキュリティ的にまだ甘いところが多く残っており、もっと根本的なレベルでスパムと認定され、全世界で共有されているブラックリストにメールサーバーのIPアドレス(インターネットに接続する各コンピュータに割り当てられた独自の認識番号)が載り、そこから送信されるメールが一切届かなくなるというトラブルも結構起きています。これはスパムフィルタサービスに届く前に起きることなので、発覚するのも遅くなり、さらに厄介な話となります。

スパムフィルタの意義とは?

ではスパムフィルタサービスの存在意義とは何でしょう?1つ言えるのは、自社メールサーバーの負担軽減です。特に、大量のメールアカウントを抱えて自社でサーバーを運用している場合、こういったフィルタサービスを活用しなければ、毎日ものすごい量のスパムメールを受信することになり、サーバーパフォーマンスに無視できないほどの悪影響を与えかねないのです。実際、我が社を例に取れば、全メールの約65%をスパムとしてブロックしています。

2つ目のメリットは、フィルタと同時にウィルス駆除なども行ってくれることです。スパムフィルタサービスからメールを受け取る際にもウィルス駆除を行っているため、二重のセキュリティと言えます。

そして3つ目は、中間サーバーの存在です。自社のメールサーバーがダウンしてしまった経験はありませんか? 例えば我が社の場合、近辺に停電が頻繁にあるため、自社のメールサーバーがたまにダウンします。そういう時、この中間サーバーの存在がありがたいのです。仮に我が社のメールサーバーがダウンしても、中間サーバーが最初にメールを受けて保存しておいてくれるため、我が社は復旧後にただ受信すればよく、対外的には何ら問題がないのです。

もっとも、スパムフィルタサービスを行っているサーバー自体がダウンすれば意味はありませんが、一般のメールサーバーよりはずっと強固に構成されているため、なかなかダウンしないと思います。

そのように考えると、自社で運営するサーバー環境を抱える企業であれば、スパムフィルタサービスにメリットはあると思います。ただ、個人での活用となると、そんなにメリットはないかもしれませんね。我が社は一応代理店の立場ではあるのですが、このサービスのメリットを享受できるケースは限定されるため、強くお勧めはしていません。ただ大量のスパムメールに悩まされていたり、メールサーバーのパフォーマンスに問題がある場合は、導入を検討されてもよいでしょう。