2010年3月9日火曜日

IT業界にプロは存在しないのか? ネットワーク編2

日系の業者にネットワーク構築やITサポートを依頼して散々な目に遭ったとか、彼らの仕事の出来に満足できなかったなどという話をクライアントからよく耳にします。ネットワーク構築が本業というわけではない我が社ですが、そういう声を聞いたら放っておけないので現場に行ってみます。すると、ネットワーク構築やサーバー設定、ファイヤウォール(FW)設定など、動かぬ証拠が残っています。これらの設定を見れば、どういう知識レベルの人が来ていたのか、同業だけに嫌でも分かってしまいます。


技術の進歩と技術者の退歩


最近のOS(アプリケーションを動作させるための基本ソフト。Windows XPやVISTAなど)はよくできていて、知識がなくてもウィザード(対話型インストラクション)に従ってクリックしていけば、何となくネットワークにも繋げられてしまいます。昔のWindows NTとか95の時代を考えると、現在のウィザード方式は画期的です。昔ならまずプロトコル(通信規約)を手動で追加しなければならず、その追加順が違っただけでも、うまく繋がらなかったものです。ハブ(各PCをネットワークケーブル等で繋ぐ装置)とLANカード(PC側のケーブルの差込口)の相性が悪いとネットワークが安定しないとか、今では考えられないことばかりでした。


簡単になったこと自体は非常に良いのですが、そのおかげで、基本を理解しない「にわか技術者」も大量に生まれたような気がします。例えば「なぜネットワークに繋がり、なぜインターネットにアクセスできるのか」といった初歩的なことも、基本を押さえておかなければ、設定する内容が不確かなものになります。まして、基本の理屈が分かっていなければ、応用などとてもできません。


技術屋のイロハを尋ねたつもりが…


インターネットを含むクライアントの環境を把握するため、過去にネットワークを構築した業者にクライアントから問い合わせてもらったことがあります。するとその業者は、全くデタラメな情報を返してきたのでした。問い詰めると、何か悪意があるわけではなく、技術的なことを単に理解していないだけだと分かり、余計恐ろしくなりました。


こういう業者に構築してもらった場合、Windows Update(バグやセキュリティ修正のための無償プログラム)がマイクロソフト社より自動配信されると、一斉に各PCがダウンロードを始め、お粗末な設定により無意味なサーバー負担を生み、社内ネットワークがフリーズしてしまっても何の不思議もありません。


また、FWを再設定し、クライアント社内のサーバーをリモートメンテナンス(遠隔地からの管理)できるようにしようと考え、ネットワーク構築に関わった業者にFWへのログオン情報を確認したところ、「一度もFWを設定したことがないから分からない」と回答されたこともあります。外部からの不正侵入を防ぐ装置であるFWは、ただ設置すれば良いのではなく、適切に設定を行って初めて意味を持つのですが……。そのほか、正しく設定されているのなら1つあれば充分なFWなのに、ハードのFWの他にもソフトのFWとしてWindows FWや、ノートンなどセキュリティソフトのFWを雑に設定しており、本来使えるはずのソフトが使えなくなるなど、いくら相手が素人だからといっても、めちゃくちゃな環境にしているケースを幾度となく目にしました。


そして、米系業者ならリモートメンテナンスを多用するのが常だと思うのですが、日系業者は未だにオンサイトメンテナンス(現場に出向いての管理)を重視しているように感じます。リモートであれば技術者の移動時間や交通費などが発生しませんし、より迅速に対応できると思うのですが、あえてオンサイトにしたがる業者さんは、意図的にサービス料を吊り上げたいのか、単に技術力がないのか、いったい何なのだろうと思ってしまいます。

こういう現状を知って以来、クライアントが“なんちゃってIT業者”の餌食にならないよう、簡単な設定やトラブルはクライアント社内で対応できるようトレーニングし、IT管理者を養成するようにしています。もちろん、必要な際はリモートメンテナンスでサポートしますが、業者を当てにせず自社で管理できるのが、誰にとってもベストソリューションだと思います。