2009年10月5日月曜日

これは詐欺だ ウェブデザイン編

しばらくシステム開発の話を続けていたので、少し気分を変えてこれから数回、ウェブ制作現場の話をしたいと思います。ところで日本人の間でよく使われる「ホームページ」という表現。正しくは、複数ページからなるウェブサイトの最初のページという意味ですが、なぜかウェブサイト全体を指す言葉としても使われています。今回からしばらく、あえて後者の意味で「ホームページ」という表現を使います。


今は明らかにしませんが、ちょっとした意図があるのです。さて、企業にとってホームページは持っていて当たり前の時代となり、ホームページ制作の需要は格段に増え、その制作会社も増加しました。しかし皆さんは、こういった業者が実際にどうやってホームページを制作しているかご存知でしょうか。


テンプレートを流用するホームページ作り


実は「ホームページ・テンプレート」と呼ばれる雛形が市販されており、かなり多くの業者がこれを利用しています。プロのデザイナーが汎用向けに作成した雛形から好きなデザインを選び、ロゴやテキストを変更するだけで、プロが作ったかのようなホームページを誰でも簡単に作成できるのです。プロのデザイナーがいない業者でも、雛形を使えば、素人のアルバイトにテキストを変更させるだけで、それっぽいホームページをすぐに納品できます(実際にそうやってビジネスをしている業者もいます)。


この雛形は、高くとも100ドル以下で購入でき、種類も豊富で数万ほども存在します。ホームページの制作費は、コンサルティング費(設計)、デザイン費、そしてページ作成費(コーディング費)などを合計して算出されるのですが、相場は、市販の雛形をただ流用したものなら10ページ以下で2000〜3000ドル。雛形を利用してデザイン費を100ドル以下に抑え、賃金の安いアルバイトに制作させれば、十分にビジネスになるのです。その上、市販の雛形を利用してホームページを制作するのなら、誰がやっても見た目の出来には大差ありません。


もちろん中には雛形を使わず、一から自分たちでデザインする業者もいます。しかし厄介なのは、そうして作った方が必ずしも良いものになるとは限らないということです。何しろ市販の雛形は、大量販売するため価格は安いものの、バリバリ経験を積んだプロのデザイナーが作ったものです。彼らと同等のシニアレベルのデザイナーが、もしも新規にデザインを作成したら2000ドル以上はかかるでしょう。制作費を抑えるため、エントリーあるいはジュニアレベルのデザイナーがいちからデザインして「完全オリジナルデザインだ」と主張しても、果たして市販の雛形と勝負になるのか、ということです。


オリジナルと詐称し売り込む悪徳業者


雛形から作ったホームページをさもオリジナルであるかのように語り、法外な金額で売りつける業者もいるので注意してください。既に述べたように、市販の雛形はプロが作った美しいデザインとはいえ、誰でも簡単に購入できるものです。ただ、一般の方にはその存在があまり知られていないので、簡単に騙されてしまうわけです。


2000〜3000ドルが相場のホームページを、言葉巧みに1万ドルで売りつけていた業者を私は知っています。制作
依頼から1年経ってもホームページが完成せず、不安になった被害者が我が社へ助けを求めてきて、発覚したのです。偶然にもその悪徳業者は、元友人が経営する米系の会社でした。こういう例は日系ではよく見かけましたが、米系にもそういう業者がいたのは驚きでした。


“元友人”という表現からお分かりのように、その事件がきっかけで今は全く交流していません。世の中には嘘八百を真顔で話せる人間がいるから怖いと改めて思いました。彼は決して根が悪い人間ではなかったと思いますが、ビジネスにも自分にも甘いため、いつしか感覚が麻痺してしまったのでしょう。


誤解してほしくないのですが、雛形を使ったホームページの制作自体は悪いことではありません。ただ、そうやって出来上がるホームページの価値は、顧客に正しく伝えて欲しいと思います。次回は、デザインとは別の観点から詐欺的行為について話します。

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